暴走老人!

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163693705
  • NDC分類 367.7
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「新」老人は、若者よりもキレやすい。
「あんた失礼じゃないかッ!」たいした理由もなく公共の窓口で突然キレる中年、店のカウンターでいつまでも怒鳴り続ける男、病院での待ち時間にキレて看護婦を殴る年寄り……。いま一番キレやすいのは若者よりも「いい歳した」大人!? 家族問題を長年テーマにしてきた芥川賞作家が、暴走する「新老人」たちの孤独にメスを入れ、品格なき日本人のいまを鮮烈に描き出します。あなたの隣の困った年寄りたちの生態を明らかにする新感覚ノンフィクション・エッセイの誕生です!

内容説明

待てない、我慢できない、止まらない―「新」老人は、若者よりもキレやすい。現代社会に大量に生み出される孤独な老人たち「暴走」の底に隠されているものとは?老人たちの抱えた、かつてない生きづらさを浮き彫りにする。

目次

序章 なぜ「新」老人は暴走するのか
第1章 「時間」(暴走する老人たち;待つことをめぐる考察;変容する時間感覚;ネットワーク)
第2章 「空間」(凶器の選択;独居する空間;膨張するテリトリー感覚)
第3章 「感情」(透明なルール;丁寧化する社会;警笛としての新老人)

著者等紹介

藤原智美[フジワラトモミ]
1955年、福岡市生まれ。フリーランスのライターとして活躍後、1990年「王を撃て」で文壇デビュー。1992年『運転士』で第107回芥川賞を受賞する。ノンフィクション作家としても活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はつばあば

57
待つことと待たされること?誰だって待たされるのはかなわん。待つ気持ちがあれば待てる。この作家さんもこの本を書かれてから10年たった。今なら還暦を迎えられてるだろう。その時と同じ気持ちでおられるだろうか。私の思っていた暴走老人とこの本の暴走老人とは違った。この本の暴走老人は暴走の底に認知症なり精神疾患があったのかもしれない。若者はキレやすい・年寄は我儘でキレやすい・・。若者も年寄も無い!。若年性老害が増えただけだ(^^♪2016/08/09

団塊シニア

44
人の一生は待つことを抜きにして語ることはできない、日常は待つことで占められてる、そして待つこと、待たされることに苛立ち、病院などで暴言、暴力をふるう老人が増えてるという、しかし、なぜ老人なのかという答えは本書からは見つからない…。2013/11/25

アイスマン

20
現役時代(学生時代〜社会人時代)は、「時間割」に従って生活していたが、第二の人生では自分で「時間割」を作り出す必要がある。•••との部分が特に印象に残った。確かに。現役時代からでも週末における「時間割」の作成・管理はその前哨戦になるかも。2017/07/29

キムチ27

12
揶揄で名付けた題名ではないだろうが、一抹の悲しみもある。持って生まれた気質故の「暴走」か「認知」から来るものか。本人の意に沿った関わりを周囲ができないなら、「暴走」と化する経過を見る時間も人の心もなくなってきている。 それが法に反していればなおのこと・・それをどう見るか。秩序立って行く社会をよしとするなら、なおのこと生きにくい人々を指しているのだろうか・・と感じた。

nizimasu

10
暴走老人というタイトルだが、読んでいると老人ではなく、老人化した現代人をさしているように思う。その姿は、世の中が便利になりすぎて、そのちょっとしたことに声を荒げるかんしゃく持ちの親父のようだ。そう、今の世の中は怒りの沸点が下がっているように思う。特に顕著なのが一章に出てくる時間を待たされる現象への怒りなのだろう。この前に読んだ藤原さんの前著なれどまだ近著ほど練り込まれていないが、ネット社会への違和感表明はここでも健在。具体例がいささか古いので、ちょっと今読むとネット時代のテクノロジーの早さも実感するばかり2014/07/15

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