内容説明
これで文楽がわかる。至宝が語る十九演目の芸の精髄。
目次
第1章 おじいさんおばあさんが登場する作品は、私の声柄と合うてます
第2章 三大名作は詞もフシも筋書きもようできています
第3章 おんなの情を語るのは苦手ですが…
第4章 十年に一回しか外題がかからない演目です
第5章 近松ものは字余り字足らずで、私嫌いでんねん
第6章 昔っから浄瑠璃らしい演目ですわ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
35
文楽なる人形浄瑠璃。言わずと知れた上方生まれの人形芝居。 江戸時代、文楽は大衆娯楽だった。今や日本の伝統芸能。 しかし、人気が凋落して久しい。本家本元の上方より東京や海外公演のほうがチケットの売れ行きが良いという。 著者の人間国宝は現代と未来を憂う。 「こないに言葉が乱れてきたらあきまへんなあ。歌舞伎やらお能やら文楽がだんだん遠ざかっていってしまいます。日本の言葉を大切にしてほしいですね。」 控えめな大阪弁、上方言葉がまたいい。2016/04/19
ベルるるる
20
文楽を観たくなりました。人間国宝である住太夫さんのお若い日の巡業の過酷な経験に驚きました。芸術院賞を受賞された時、芸大の人がお琴で君が代を演奏して迎えられ、その後、君が代の演奏の中を天皇皇后両陛下が入って来られる光景で胸がいっぱいになったと書かれていました。そして「文楽に来ておくれやす」と両陛下をお誘いになられたそうです。2017/08/26
garyou
2
読んでゐるとお浄瑠璃を聞きたくなつてくる。プレゼンテーションの極意に通じるところもあるのがおもしろい。結局は「エトス」だよね、といふかね。2014/11/11
dumpty
1
『言うて暮らしているうちに』から約20年。芸談を語れる歳になったちゅうことですか。出会えてよかった。人の心の奥深き~。2008/10/26