出版社内容情報
われらはどこから来、どこに居、どこへ行くのか? 世紀末を迎えた地球文明の混沌を、作家が柔軟で深い目ざしでとらえ、考察する
内容説明
明日世界が滅びても今日君はリンゴの木を植えるか?長篇エッセイ。
目次
序 あるいは、この時代の色調
核と暮らす日々
ゴースト・ダンス
恐龍たちの黄昏
レトロウイルスとの交際
人のいない世界
洪水の後の風景
我が友ニコライ
沙漠的思考
サルとしてのヒト
ゴドーを待ちながら
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Maumim
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「ずっとウソだったんだぜ」は賛否両論だが、一理ある。「事故が起こるまでは事故は起こらない」と言い続けられる。 「文学界」に掲載されたのが1990年。 「東海村なり福島なりで炉心溶解規模の事故が起こったら、日本の社会はあまりに重大な損傷を被る」。 21年後に彼の危惧が現実となる。 人類が手にした「パワー」と備えている「制御」する能力の格差。福島での現状を見守ることしかできない現実を言い当てている。 今の事態を、たとえばかつてのキューバ危機のように、振り返ることのできる日がいつか来るのか、それとも。2011/04/16