出版社内容情報
大本営の名情報参謀だった著者が陸軍の情報なき作戦ぶりの実態と対米情報の収集・解析の実体験を綴る。情報戦としての太平洋戦史
内容説明
太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて「マッカーサー参謀」の異名をとり、戦後は自衛隊情報室長を務めたプロが、その稀有な体験を回顧し、情報に疎い日本の組織の“構造的欠陥”を告発する。
目次
陸大の情報教育
大本営情報部時代
山下方面軍の情報参謀に
再び大本営情報部へ
戦後の自衛隊と情報
情報こそ最高の“戦力”
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うなじー
3
有効な戦略を練るには正しい「情報」を得ることが不可欠である。「情報」や「戦略」を軽視し精神論による突撃に頼った旧日本軍が太平洋戦争でいかにして米軍に負かされたかを詳細に記述した本。2018/01/11
そうまさと
3
昔の日本軍にもこんなすごい情報分析を行う人がいたとは。アホな参謀さえいなければ。読み物としてもすごく面白い!2014/09/03
toriarii
2
20年振りに再読、服部卓四郎の評伝の最後に書かれた堀氏のセリフが記載されている。今読んでも面白い。が、最近の戦史調査の進捗に伴い?マークがつく箇所もある。作戦課との情報軽視の指摘も、情報が取り上げられなかったのではなく、全体の情報の確度が低くて参照しづらいといった可能性もあったのでは無いだろうか。本書でも取り上げられているゲーレンも最近ではソ連の攻勢予測についてそれほど高い確度で的中できていないことが分かっているため、著者の結論をそのまま鵜呑みにするのは危険だと感じた。回想録の危険性もわかる本。2023/02/05
しん君
2
『永遠の0』から戦争の歴史に興味がわき拝読。情報軽視・国力判断の誤り・精神主義の誇張・組織の不統一・制空権なきところに勝利なしなど大戦で負けた要因がすごくわかる。2019/11/13