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廃墟に乞う

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163283302
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

北海道警察捜査一課仙道孝司――現在、休職中。
道警の敏腕刑事だった仙道孝司は、ある事件をきっかけに療養中の身。やっと回復してきた仙道に、次々とやっかいな相談事が舞い込む。警察手帳も持たず、拳銃も持てない仙道がどのような捜査をするのか?ニセコ、夕張などを舞台に、北海道が抱える社会的問題を鋭く描く第一級のエンターテインメント。

内容説明

13年前に札幌で起きた娼婦殺害事件と、同じ手口で風俗嬢が殺された。心の痛手を癒すため休職中の仙道は、犯人の故郷である北海道の旧炭鉱町へ向かう。犯人と捜査員、二人の傷ついた心が響きあう、そのとき…。感激、感動の連作小説集。

著者等紹介

佐々木譲[ササキジョウ]
1950年北海道生まれ。自動車メーカー勤務を経て、79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。90年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞する。2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

186
2009年下半期直木賞受賞作。仙道という休職中の刑事が北海道で発生した事件を追う短編小説集。事件の謎解きではなく、その背後にある人間の物語を事件捜査のアシスト的な形で描いていく。完全な解決で終わらないところがよいのかもしれない。 2012/04/15

おしゃべりメガネ

161
直木賞受賞作です。ミステリーにありながら、素晴らしくヒューマニティあふれる作品だと思います。‘都合’で休職してる刑事があらゆる事件の解決を、あくまで‘アシスト’に徹する物語です。このアシスト具合が絶品で、日向にでず日陰でしっかりと物事を見つめる、そんな落ち着いた人間になれたらと憧れます。読んでいて、東野圭吾さんのような爽快感はありませんが、重厚かつある意味ダイナミックな展開は読む側を完全に黙らせてくれるほど、圧巻かつ圧倒的です。長編だけではなく、こういう短編連作集も素晴らしい作家さんなので、オススメです。2009/08/16

散文の詞

159
連作短編集です。 主人公が休職中の刑事というのも面白い設定だなとおもうし、正式ではない捜査依頼になんとなく巻き込まれって設定もおもしろいです。 行ったことないですが、それぞれに、北海道の情景が浮かぶような、それでいて、物悲しい話は、全体に哀愁を誘います。 ただ、そういう話ですから、全体に盛り上がりません。 まあ、主人公が現場復帰できるのか、その点くらいですかね。全体の関心としては。 2022/08/29

takaC

149
陵南の仙道彰を思い浮かべてしまいがちな主人公の命名(仙道孝司)は、なんとなく失敗なのではないかと思ったりしながら読んでいた。道内をかなり縦横無尽に駆け回っているみたいだが、休職中の警察官には収入はあるのだろうかとか、この人には家族はないのだろうかとか、そもそも仙道は何歳なんだろうかとか、余計なこともいろいろ考えさせられた。そして、解は得られなかった。 2012/12/07

じゅん兄

111
同僚の警察官や新聞記者の情報を元に事件の関係者に迫るが、休職中のため捜査権も逮捕権もない。事件の解決を目指した物語ではなく、事件に纏わる人々の心理や人生を浮かび上がらせる。かと言って大上段に構えることなく淡々と人々の心に迫る主人公、仙道自身が心のリハビリ中と言う設定も物語に合っている。だから伏線もトリックもどんでん返しも要らない、北海道の原風景だけあればよかったのだろう。2013/08/10

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