内容説明
晩成の鬼才絵師薬王寺無名丸。日輪と月輪に導かれながら、生涯ただ一作の屏風絵に挑み、愛と反乱の傑作を遺し、人生の終焉にたたずむ。
著者等紹介
丸山健二[マルヤマケンジ]
昭和18(1943)年、長野県生まれ。昭和41(1966)年、「夏の流れ」で文學界新人賞、芥川賞を受賞。昭和43(1968)年以来、長野県大町市に居を構え、創作活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yamahiko
5
何度か繰り返し読みたい本の一冊に出会えました。2015/01/11
takehiro
1
なかなか途切れない独特な文章のせいか一気に読んでしまった。無名丸はすごい人生を送ったなあ。2013/09/20
黒田錦之介
1
ああ、すごい「物語」だった。この薬王寺無名丸の物語が室町時代に存在していて、幻となっていたそれを丸山氏が現代に蘇らせた、という偽の説があっても信じてしまう。下手したら喜んで騙されましょうといいかねない。構成上の工夫がまさに、よむほどにその効果を倍加させる。「平家物語」が作者不詳の琵琶法師の語りであったように、この作品もまた延々と続く「歌」でもある。揺さぶられ、度肝を抜かれることが多かった。カタルシスも最後に。2009/10/26