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TOKYO YEAR ZERO

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  • サイズ B6判/ページ数 379p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163264202
  • NDC分類 933
  • Cコード C0093

内容説明

一九四五年八月十五日―東京、品川の軍需工場で女性の腐乱死体が発見された。そして一年後に発見される第二、第三の死体…敗戦を機に解き放たれた殺人鬼。そいつは何者なのか?それを追う警察もまた、その内部に大いなる秘密を隠し―実在の連続殺人鬼・小平義雄の事件をモチーフに現代イギリス文学の旗手デイヴィッド・ピースが描く日本の「占領」とその闇。戦慄の超大作“東京三部作”開幕。

著者等紹介

ピース,デイヴィッド[ピース,デイヴィッド][Peace,David]
1967年、イギリス、ヨークシャー生まれ。1994年、東京に移住。1999年、『1974ジョーカー』で作家デビュー。2003年、文芸誌「Granta」の選ぶ若手イギリス作家ベスト20のひとりに選ばれる。2004年、第四長編『GB84』でイギリスでもっとも伝統ある文学賞ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞を受賞。現代イギリス文学の旗手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とくけんちょ

36
どこまでも続く陰鬱な雰囲気。これは、戦後の雰囲気をよく醸し出していると感じる。文章中に通常の文字と太字が織り交ぜられ、それが一つの作者が仕掛けた謎を解くキーとなっている。戦後まもなく発生した連続強姦殺人を巡って、捜査をすすめる刑事が主人公。この時代背景ならではの謎。誰もが肩書きどおりではない。正直、読んでもよくわからないことが多く、本書巻末の解説を見て、ようやく意味がわかったことも多い。再読はないかな。でもこの世界観は嫌いでない。こののしかかってくるような陰鬱な雰囲気、高村薫の照柿を思いだした。2018/08/31

GaGa

29
戦後まもない頃、闇市に向かう女性を言葉巧みにおびき出し、強姦殺人を重ねていった小平義男。この事件をベースに精神の均衡を失いかけている刑事の深淵へと突き進む作品。作者は日本在住の英国人。07年日米英同時発売。三部作で「帝銀事件」「下山事件」へと続くそうだが、08年刊行予定の次作がまだ発売されていない。作者が書かないのか、書けないのか、書かれているが刊行されないのか、そちらの方が現時点ではミステリーである。2011/09/07

紅はこべ

26
終戦翌年の東京で実際にあった連続婦女暴行殺人事件がモチーフ。事件担当の三波警部補の内的独白で物語は進む。韻文に近い文体。三波の目に映る猥雑で不潔な東京。繰り返される同じフレーズ。内的独白による三波の心理描写。それらはすべて伏線となり、ラストで意外な事実が明らかに。意識の流れ的手法とあるトリックの見事な融合。2009/06/20

タカギ

22
イギリス人の著者が日本を舞台に描いたノワール小説。『東京三部作』の第1作で連続婦女強姦殺人事件の「小平事件」をモチーフにしている。最後まで読むと結果として面白いけど、本としてはかなり読みにくい。パッと本を開いただけでそれは分かるので、興味のあるかたは見てほしい。物語はラジオの玉音放送が流れる下ではじまる。終戦直後、何よりも食料が求められた時代の様子、死体、警察、ヤクザ、GHQが闇鍋のように煮込まれている。本文を読んで大体は理解できたけど、解説で初めてわかったこともある。なので、解説は読了後に読みましょう。2021/09/12

3939タスタク

22
戦後の混乱期GHQに占領された日本で起きた不可解な事件。今回は『小平事件』をモチーフに、混沌とした時代に隠された闇を描かれているが、実に不思議な文体かつ難解な内容だったが、解説まで読み進める事で筆者の意図が理解する事が出来た。イギリス人である筆者が、『小平事件』『帝銀事件』『下山事件』と云う戦後間もない日本で起こった三つの事件にスポットを当てたのか、非常に興味を惹かれる作品である。2013/05/20

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