はぐれ鷹

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  • サイズ B6判/ページ数 359p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163264103
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

鷹匠になることを夢見て“最後の鷹匠”に弟子入りした杉浦岳央。だが高齢の師匠に不満と不安を覚え、早々に袂を分かつ。雪深い月山の麓でひとり、手探りで訓練を重ねるが、猛禽類のなかでもとりわけ神経質といわれる角鷹を、岳央は操れるようになるのか―。野生の鷹と人間の対峙を描く。直木賞受賞作『邂逅の森』に連なる感動作。

著者等紹介

熊谷達也[クマガイタツヤ]
1958年、宮城県生まれ。東京電機大学理工学部卒業。中学校教員、保険代理店業を経て、97年、『ウエンカムイの爪』で小説すばる新人賞を受賞。2000年、『漂泊の牙』で新田次郎文学賞、04年、『邂逅の森』で山本周五郎賞、直木賞をダブル受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まるぷー

25
鷹匠を目指し「最後の鷹匠」と呼ばれる富樫聡一郎に弟子入りした杉浦岳夫。屋根裏部屋で若い雄鷹「神室号」をあてがわれ調整と訓練の日々を過ごす。やがて独立し山形県月山山中の山小屋に移住するが、「神室号」の不幸とマスコミ取材など苦難に見舞われる。師弟関係の話よりむしろテレビクルーの幼馴染みである久美との関わりが深まる。山中での孤独な岳夫、鷹にあらず生物の本能と遺伝について考えるくだりに感銘した。最後の数十ページでの角鷹「月山号」とのやり取りが壮絶で、ラストの結末は予想外だった。2023/03/01

藤枝梅安

19
東北の日本海側、月山麓を舞台とした、鷹匠になることを夢見た青年の物語。鷹匠に憧れ、「最後の鷹匠」と呼ばれた師匠に弟子入りした杉浦岳央。現実からあまりにかけ離れた師匠の生活や考え方についていけず単独で鷹を訓練する決意をする。少年時代に密かに思いを寄せていた幼馴染の久美がテレビ番組のクルーとして岳央と彼の鷹を取材しに来た。久美への想い、鷹に命をささげる決意、クルーとの確執、人間としての煩悩や欲を見透かすように、鷹は岳央の意図とは裏腹の行動に出る。2010/09/25

さんつきくん

17
今では貴重となってしまった角鷹を扱い、猟を行う鷹匠を描いた作品。熊谷達也先生お得意の動物もの。大学を卒業した青年はかつて見た、鷹匠のドキュメンタリー番組を見て鷹匠になることを決意して、師匠に弟子入りをする。厳格な師匠の元、修行に励み悪戦苦闘しながら成長していく。1年で独立し月山の山小屋で、さらなる修行をする。内向的で一途過ぎる主人公。正直、独立するの早すぎじゃない?って思ったりもした。久美との恋模様も、もっとアレンジがあっても良いとも思った。動物学的に遺伝子をどう残していくのかと言う件は興味深く読めた。2014/09/12

acesmile@灯れ松明の火

15
出口汪先生の著書(受験参考書)のなかで題材に使われていたので読んでみた。鷹匠という職業にも少し関心があったのでどんどん読み進められた。感情移入度合いが高く主人公が鷹に夢中になっているときは自分も鷹の事をいろいろ考えてみたり、主人公が女性の事を考えている時は一緒になって興奮したり。それにしても読み進めていくうちにちょっと不安になってきた。ページの経過に対して物語の進み具合が遅いのだ。2/3読んだ所で育成中の鷹が死んでしまうし・・・「えーーこの人鷹匠に慣れるの?」と思って読み進めたが・・・この続きは??2011/12/08

キムチ27

8
なかなか評価が混在しそうな展開。大半の読者が期待しそうな展開どころか、「弟子入りした鷹匠との決別・貴重な鷹を死に至らしめた・テレビ業界に振り回される・女性問題・自身の生活の基盤の危うさ・・」等など殆どがマイナス展開。今風でいえば、「主人公は発達障害では」なんていう声も聞けそうで。 だが、改めて、いかに人間はちっぽけであり、自然のほんのひと捻りの怒りで潰され得るものか。 そんなに、のう天気に、ハッピーに行くはずもなく、人の営みは大自然からすると瑣末なモノに過ぎぬと筆者が云いたかったのか・・と感じた。2012/12/04

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