出版社内容情報
男と女──その愛と性のかかわりの背後に蠢くエゴイズムや孤独感焦燥感を、硬質の澄明な筆に描いた中篇小説の秀作四本を収録
内容説明
大学生、血縁関係にある男女、富める未亡人と若きジゴロ―オスとメスとなってうごめく者たちの内部に氷結する虚無感や焦燥感を、硬質な文体で掬い上げた鮮烈な作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
28
直木賞受賞作。3つの短編集。1988年で家畜診療所という表現に古さを感じる。もっと激しい性愛を予想したが思ったほどでない。女性作家らしい視点は感じるが、表題作などヘビースモーカーな女性やら、同性愛、かなり荒っぽい人間関係を見せられ、かなり引いて読んだ。直木賞というより純文学に近いような雰囲気だった。2017/05/03
星落秋風五丈原
17
男と女、その愛と性のかかわりの背後にうごめくエゴイズムや孤独感、焦燥感を澄明な文章で描いた中編小説。第100回直木賞受賞。1990/05/09
うさこ
3
図書館の「ご自由にどうぞ」的なコーナーから拝借。古い本ですね。藤堂氏の作品は読んだことないけど名前は知っているし、直木賞受賞作という帯が巻かれているのでちょっと楽しみにしていたのですが…うーん(-_-)゛私には少々ヘビーでした(´Д`)表紙のデザインから察しろ…ということでしょうかね。←拝借したときはまじまじ見なかったんだよぅ(笑)2015/02/27
こしぼね
2
詩的な表現が割と好み。2013/01/31
みぶかん
1
表題作。両親の不仲が原因で親戚に預けられた従姉を気まぐれに追い詰めたのちに自ら慰める行動は、自分が受けられなかった母親の愛への代償行為であり、大人になって母親代わりに憧れを抱いた女性からはその女性の嗜好を満たすために利用されていたことを知り、自分の気持ちが確立されたのかなと思いました。難しい。2017/02/24