おじいさんの思い出

おじいさんの思い出

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  • サイズ B6判/ページ数 75p/高さ 20X13cm
  • 商品コード 9784163102009
  • NDC分類 933

出版社内容情報

二十二歳のカポーティが田舎のおばさんにプレゼントしたまま四十年間埋もれていた佳品を美しいリトグラフで飾った愛すべき美麗本

内容説明

村上春樹がおくるカポーティの最もピュアな物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mukimi

109
若かりしカポーティの短編(村上春樹訳)の古い絵本。祖父母を残して街へ引越すことになった主人公、彼らの別れが描かれる。主人公の無邪気な寂しがりと祖父母の悲しみが伝わって、亡き祖父母を思い出し涙が出た。カポーティ作品を読む度に思うが、彼は取り戻せない過去を慈しみ、もう会えない人を限りない愛で惜しむ優しい心がある。祖父母から注がれた無償の愛に直接感謝を伝えることはもう出来ないが、投げやりにならずに前向きに、恥ずかしくない大人として生きることで、きっと喜んでいてくれると信じまた頑張って生きようと思う。2022/08/31

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

104
小さな家に三世代で暮らしていた家族。父親が新しい仕事を見つけて、【僕】は祖父母と別れて引っ越す事になった。新しい家に着いておじいさんに手紙を書いた。返事はなかなか来なかった。やっと届いた手紙を【僕】は信じられない思いで読んだ……。トルーマン・カポーティ最初期の短篇。叔母にプレゼントした原稿は40年以上忘れ去られ、作者の死後発見されたそうだ。訳者の村上春樹氏は「叔母の手に渡っていなければ、こんなにピュアなカポーティを読む事はできなかっただろう」と記している。山本容子さんの銅版画が叙情を誘う美しい装丁の本。2016/05/24

ペグ

85
(おじいさんへ ぼくらはちゃんとつきました。にかいだての大きなうちです。) ぼくがはじめて書いたおじいさんへの手紙。〜孫の男の子の一生懸命さが目に浮かぶようです。受け取ったおじいさんもきっと目頭を熱くしたことでしょう。ピュアな飾り気のないこの短編はひととき、日常の雑事を忘れさせてくれる澄んだ空気の一冊です。2022/07/17

ゆのん

62
初期に書かれ死後に発表された作品。これがあのカポーティの作品?と思わせる程ピュアで愛情に溢れた作品だ。貧しい中でも家族として長く暮らしていたが主人公はおじいさん、おばあさんと離れて暮らす事に。その悲しみを素直に表すおじいさんを思うと胸が痛む。おじいさんの『秘密』はいかに生き、いかに他人とうまくやり、人生を楽しむか。それは他人に愛され、他人と愛しあう事に関わっているということ。また、翻訳、挿絵、文章のレイアウトによって尚一層作品の雰囲気を良いものにしていると感じた。2018/10/08

がいむ

22
「クリスマスの思い出」の少し前に出版されている。やはり事実を淡々と描いているのだけど、おじいさんやおばあさんの感情がすごく素直に描かれていて、小さな子どもになったように切なくなる。山本容子さんの銅版画がこの本にもたくさん使われていて、モノクロなのにとても素敵。文字の組み方も、銅版画に合わせていて、スペースを使ったデザインされたつくり。表紙の絵が登録されていないのが残念!2012/12/10

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