出版社内容情報
〈ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞受賞〉第二次大戦中のイギリスでの現地調査に派遣されたオックスフォード大の史学生三人は、未来にぶじ帰還できるのか……好評の『ブラックアウト』続篇
内容説明
2060年から、第二次大戦下のイギリスでの現地調査に送りだされた、オックスフォード大学の史学生三人―アメリカ人記者に扮してドーヴァーをめざしたマイク、ロンドンのデパートの売り子となったポリー、郊外にある領主館でメイドをしていたアイリーンことメロピーは、それぞれが未来に帰還するための降下点が使えなくなっていた。このままでは、過去に足止めされてしまう。ロンドンで再会した三人は、別の降下点を使うべく、同時代にいるはずの史学生ジェラルドを捜し出そうとするが…前作『ブラックアウト』とともにヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞したウィリスの大作。
著者等紹介
ウィリス,コニー[ウィリス,コニー] [Willis,Connie]
1945年、コロラド州デンヴァー生まれ。1971年のデビュー以来、長篇・短篇を数多く執筆。タイムトラベルものの長篇『ドゥームズデイ・ブック』でヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を、『犬は勘定に入れません』でヒューゴー賞とローカス賞を受賞。他にも多くのSF賞を受賞している
大森望[オオモリノゾミ]
1961年生、京都大学文学部卒。翻訳家・書評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
56
“いつまで経っても追いつけない相手を果てしなく追いつづける”実際その通りの巻だった。もしああしていたら、こうしていたらの繰り返し。謎も少しは解けたんだけど、足踏み状態。『ブラックアウト』では史学生と時代人との交流が描かれていたが、今回は降下点と他の史学生探しがメイン。肝心の研究、観察が疎かになっているぞ。有名人のゲスト出演は微笑ましかったが。この巻のラストの方ではあの悪ガキ姉弟が少し魅力的に見えた。次巻は苛々感が減りますように。2015/08/16
藤月はな(灯れ松明の火)
49
何と行きたい時代から大分の時間差を持って行っていた事が判明。相変わらず、当事者なのに物見高い三人はイラっときます。しかし、危険な自転車野郎の正体と当時、薬剤師として働いていたある作家の登場に仰天と同時に爆笑。ホビドン姉弟の様子には苦労を窺わせるのが遣る瀬無いが、ジョン牧師のように彼らの良い所(運転を見るだけで救急車を運転できる)もちゃんと見て評価してくれる人がいるのが救い。そして相変わらずのマージョリーのいい人ぶりやセント・ポール大聖堂群爆撃のショックを話すタクシードライバーさんにしんみりとしてしまう。2017/03/31
どんぐり
47
『ブラックアウト』から続くロンドン大空襲。時空旅行者は、ロンドンをウロウロしていて、いっこうに話が前に進まない。回収チームはいつ来るんだ。緊迫感も薄れがちで、『オール・クリア2』へ。2014/09/17
昼夜
28
この一冊の中でほとんど進展してないじゃないかと少しだれながらも流石のリーダビリティで完読です。「すべてのことが、このおれにとって、なんと裏目にでることか」オールクリアに向けて「もう一度突破口へ」、3人はオックスフォードに無事帰れるのか次巻に続く。長いけど引っ張り過ぎだけど面白いんだよね。2015/03/22
アーチャー
25
本書もかなりの分厚さですが”すれ違い”を存分に楽しませてくれるので、最後まで楽しく読むことができました。特に34章における主人公とタクシー運転手のやり取りは感動的でしたね~。ところで「ブラックアウト」と「オール・クリア」は文庫化の際には、いったい何冊に分けて発売するつもりなんでしょうか?因みに私の予想は6冊じゃないかと思うのですが・・・。2014/03/26