内容説明
ジェスはおじいちゃんが大好きな15才の女の子。夏のある日、そのおじいちゃんが倒れた。最後の願いをかなえるため、家族はおじいちゃんを連れて故郷の川へ向かう。ジェスはそこで、不思議な少年と出会った。その少年に導かれ、ジェスとおじいちゃんの運命は大きく変わっていく。カーネギー賞受賞の感動作。
著者等紹介
ボウラー,ティム[ボウラー,ティム][Bowler,Tim]
1953年、イギリス南東部のリー・オン・シーに生まれる。イースト・アングリア大学で北欧の言語や文化を学んだ。卒業後は教師や木材の伐採、アイスクリーム売りなど、さまざまな職を経験するが、その間も子どものころに始めた創作活動をやめることはなかった。1990年に作家・翻訳家として独立。1994年、初めての作品MIDGETが出版され、反響を呼ぶ。『川の少年』は1997年に出版された第3作で、見事同年のカーネギー賞を受賞した
入江真佐子[イリエマサコ]
国際基督教大学教養学部卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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kanegon69@凍結中
69
なんというファンタジックな話でしょう!完全に一気読みしてしまいました。序盤からエンディングまで読者の心を全く離さないストーリー!ミステリアスな少年、死を前にしたおじいちゃん、必死で描こうとしている「川の少年」というタイトルの絵、ジェスと両親の思い、、夢中で読み進め、最後は温かい涙が自然と流れます。児童書というくくりに置いておくのがもったいない!これは是非幅広い世代に読んで欲しい名作です。素晴らしい読書時間でした。伊勢英子さんの見事な表紙絵、印象的な場面ででてくる挿絵、これらも物語を一層引き立ててくれました2019/11/30
アキちゃん
31
年をとって死んでいくのは、山の上で湧き出た水が川となって流れ、やがては海に行きつくように自然なこと、悲しいけれど受け入れなければならない2020/01/03
timeturner
10
川の少年の正体は途中から想像がつくけれど、そんなことより少年を通して作者が伝えようとしたことが素敵だった。主人公と一緒に大切な人との永遠の別れと向き合い、最後には静かな感動に包まれる。2016/06/03
ワッピー
6
おじいちゃんの故郷の川への最後の旅につきあった主人公ジェスと川に現れる不思議な少年の交流。川の源流から海までの眺望はさわやか。主人公の泳力すごすぎ。2010/09/19
けいにゃい
4
【YAを楽しむ会】おじいちゃんに寄り添い、その死と向き合うジェス。川は途中には闘いもあるだろうけど、最後に海に行きつくまでずっと流れ続けていくんだと、川に人の一生をたとえやり遂げる、清々しい読後感でした。とても良質な児童書。2017/04/13