マンハッタン・ビーチ

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マンハッタン・ビーチ

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  • サイズ 46判/ページ数 544p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152098733
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

第二次世界大戦下のアメリカ、ニューヨーク。常に海に魅了されてきたアナは、ニューヨーク初の女性潜水士をめざす。傑作『ならずものがやってくる』の著者が戦時下に生きる人々を描くサスペンスと抒情に満ちた文芸長篇。ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー

内容説明

アナ・ケリガンは、幼いころから海に魅了されてきた。潜水士を志す彼女は、ある晩友人に連れられて行ったクラブで、オーナーのデクスター・スタイルズに会う。アナは彼を憶えていた。幼いころに行ったマンハッタン・ビーチの砂浜にある屋敷の主だったのだ。そして、そのとき彼とひそやかに言葉を交わしていたアナの父は、数年前に消えた―。彼は父の失踪の鍵を握っているのではないか?そう考えたアナは、彼に近づくが…第二次世界大戦下のニューヨークを舞台に、海に魅惑された女性の軌跡を描き出すピュリッツァー賞作家の傑作長篇。アンドリュー・カーネギー・メダル受賞作。

著者等紹介

イーガン,ジェニファー[イーガン,ジェニファー] [Egan,Jennifer]
1962年、シカゴ生まれ。ペンシルヴァニア大学卒業。1993年に短篇集Emerald Cityを刊行。1995年に発表した初の長篇『インヴィジブル・サーカス』はベストセラーとなり、映画化された。長篇第二作Look at Me(2001)は全米図書賞最終候補となり、長篇第四作『ならずものがやってくる』(2010)(ハヤカワepi文庫刊)でピュリッツァー賞、全米批評家協会賞、ロサンゼルス・タイムズ文学賞、全英図書賞(国際部門)を受賞。長篇第五作は2017年に発表され、アンドリュー・カーネギー・メダルを受賞したほか、ニューヨーク・タイムズ紙をはじめとする有力紙誌に高く評価された。2018年よりPENアメリカ会長を務める

中谷友紀子[ナカタニユキコ]
京都大学法学部卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

71
大恐慌の煽りで生活が苦しくなり、アイルランド人のコミュニティを抜けて生活を立て直そうとある賭けに出たエディ。十代半ばでマフィアの世界に身を投じ、銀行家の娘と結婚してさらなる高みを目指すデクスター。障害を持つ妹の介護をしながら、家族の生活を支えながら、居なくなった父を探しながら、自分の居場所を探しているエディの娘アナ。三人は、密接につながりあい、それが新な局面を開いていく。後ろ暗さを持ちながらも、なんとか生き続ける者と、倒れる者、その差は何だろう。2019/11/21

seacalf

58
作者の才能に嫉妬する。様々なジャンルを内包している紛うことなき傑作。どうしてこんなにも緻密に描けるのか。第二次世界大戦下のNYを舞台に、潜水士に憧れるアナ、障害を持つ娘を愛せない父親エディ、成功を手にしながらさらなる高みを目指すギャングのデクスター、紡ぎ出されるのは三人が絡み合う濃厚な物語。とにかく世界に引っ張りこむのが上手い。時代の手触りを感じられるほど物語に没入するにつれて、境遇もまるで違うはずの自分や近しい人達に思いを馳せる。こういう稀有な体験ができるのも良質な小説を読む醍醐味のひとつ。おすすめ。2020/05/01

ぶんこ

53
著者が13年ほどをかけて膨大な調査、取材を経て書き上げた傑作。第二次世界大戦の前から戦中にかけてのニューヨークでの、アナ一家の生活から当時のアメリカがうかがえる。嫁入り前の娘が一人暮らしをする事の世間の目が厳しさ、アナが潜水夫になろうとするのを阻む男性上官といった男尊女卑の世界が驚きでした。アイルランド系、イタリア系ギャングと政界財界官僚警察との癒着と、それの使い走りをする父エディや、財界大物の娘と結婚したギャングのデクスターが複雑に絡み合って、厚ぼったい本ですがあっという間に読み切る面白さでした。2019/11/02

ヘラジカ

49
物語としては読みやすく、ボリュームの割には不思議と長く読んでいた感覚もない。一人の女性、二人の男性と多数の視点で進行し、それぞれの人生が分かちがたく結び付いているが、前半は核となる部分が捉えられず行き着く先もなかなか予想しづらかった。しかし、その分後半の収束感には感心した。海に魅せられた三人を通じて、穏やかで時に波立つ茫洋とした海自体を暗喩的に描いているかのような作品。犯罪小説と冒険小説を思わせる章もあり、とても楽しんで読んだ。第三部のラストや、潜水と船に触れたときの印象描写は記憶に残りそうだ。快作。2019/07/20

りつこ

47
面白かった~!禁酒法廃止の翌年、大恐慌で仕事も財産も失った父のエディに連れられて11歳のアナは立派な屋敷に住むデクスターを訪ねる。デクスターはイタリア系ギャングの大物だった。それから8年後、エディは謎の失踪を遂げ、アナは母と二人、重い障害を持った妹の世話をしながら工場で働いていた…。アナとエディとデクスター3人の視点から物語は語られるのだが、人間の弱さと強さ、清廉さと狡さが実に見事に描かれていて、またそれを覆いつくすような海の存在が美しもあり恐ろしくもあり…素晴らしかった。2019/09/19

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