天才を考察する―「生まれか育ちか」論の嘘と本当

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  • サイズ B6判/ページ数 412p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152093226
  • NDC分類 141.18
  • Cコード C0045

出版社内容情報

天才を生むのは遺伝か環境か。アインシュタインら天才の調査事例によれば、遺伝子は意外に制御可能であり、環境は意外に制御可能でない! 最新の見解を縦横に援用して神話の嘘を暴く科学読み物

内容説明

アインシュタインら歴代の天才を対象に行なわれた「天才研究」から最新の遺伝子・ゲノム理論、発達心理学の成果までを簡潔かつわかりやすく紹介しながら、古い論争がいかにナンセンスであったかを説く、出色のポピュラー・サイエンス。

目次

第1部 生来の才能という神話(遺伝子2・0―遺伝子の本当の働き;知能はものではなく、プロセスである;「生来の才能」の終焉(そして、才能の本当の源)
双生児の似ているところ、似ていないところ
早咲き・遅咲き
白人はジャンプできないか?)
第2部 天才を育成する(天才になるには(あるいは、たんに偉大な人間になるには)
そのやり方が子供をだめにする(または発奮を促す)
優秀さを求める文化
遺伝子2・1―遺伝子も“改良”できる!?
テッド・ウィリアムズ・フィールド)

著者等紹介

シェンク,デイヴィッド[シェンク,デイヴィッド][Shenk,David]
アメリカの作家

中島由華[ナカジマユカ]
翻訳家。東京生まれ。早稲田大学第1文学部で英文学を修める。出版社勤務を経て翻訳業に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

21
エビデンスの出典・注釈が400Pの半分を占める。読んだのは前半の本文のみ。才能や知能は単純な遺伝+環境ではなく、遺伝子と環境の複雑な相互作用で浮かび上がってくるもので、ほとんどの人はその持てる潜在能力を活用しきれていないという出張。個人の能力差がないとは言っていない。人種間の能力差も基本的にはないとしていて例えばジャマイカ人の陸上の強さも文化の側面が大としている。明るい結論のように一見思えるが、環境を金で買える裕福層が子供の能力開発に圧倒的有利で格差を再生産する事実を補強することにもなる。2023/11/18

ステビア

21
表現型は遺伝子と環境の相互作用によって生まれる可塑性を持ったもの。効果のある教育法もある。お説ごもっともである。2021/07/10

Isamash

19
再読。今回は208ページにわたる出典、注釈、解説、付加ページも含めて。能力は適切な努力しだいで大きく変えられると信ずる人間と先天的に決まっていると考える人間で大きな差が出るとの比較研究は教育上とても重要な知見。このことは是非、子供更に孫にも伝えていきたい。まあ、自分の可能性を信じ切ることは、大きな仕事を成し遂げた大学の先輩の例からも大切らしいし。ただ、癌等の発症に予想外に遺伝子の関与が大きいことが分かってきているのも事実で割り引いて見る視点も必要かも。獲得形質が遺伝するかもしれないとの知見は大変興味深い。2023/11/10

ルル

14
非凡は平凡の一歩先にあるのではなく、平凡の千歩、一万歩、更にその先にあるもの!希望をもらえますp(^-^)q2016/08/23

Arowana

12
本書はエピジェネティクス(DNA配列自体は変化せず環境との相互作用によって後発的な化学修飾で遺伝子「発現」が制御されるしくみ)と過去のデータの誤りなどを論拠の軸として、優れた結果は遺伝そのものよりも本人によるその使いこなし方(プロセス)によって生じるのだと主張しています。そして誰もが潜在的な能力を最大限に引き出せるような社会システムの在り方が問われるということでした。個人の動機づけや強化のテクニックが鍵を握っているんでしょうけれど、人によって競争の好き嫌いに差異がみられることには注意が必要であるとのこと。2013/11/02

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