内容説明
良い書物は人生の指針となる言葉に満ちている…「ワシントンポスト」紙で長年書評欄を担当し、ピュリッツァー賞を受賞した練達の書評家が、50年の読書人生のなかで出会った珠玉の文章をちりばめ、書をひもとくことがいかによく生きることにつながるかを綴る。プラトンから“ゴーメンガースト”まで、DCコミックスから哲学書まで、本とともにある暮らしの素晴らしさを謳いながら、読書案内としても優れて有用なエッセイ。
目次
1 命綱になる言葉
2 学ぶ喜び
3 仕事と余暇
4 恋愛の書
5 すべてを家に持ち帰る
6 世界に生きる
7 見ることと聴くこと
8 室内の書架
9 精神の諸問題
10 おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
7
「本書のほとんどは、本を読んでいるときに印象に残った引用文や一節を書きとめた小型の手帳から拾ってきた。」というこの一冊では、様々な本からの引用を交えて、著者の人生訓や、おすすめの図書が紹介されている。サブタイトルに「読書と人生の交錯」とある通り、たんに本に関わることだけが書かれているわけではない。引用される文章とともに、著者の言葉の端々に納得させられ、彼の言葉を今度は読者である私が書き留めるという営みに、本を読むという行為の永続性を感じさせられた。たんなる引用集で終わっていない良い一冊だった。2014/10/27
DEAN SAITO@1年100冊
5
優れた「読書案内」本は、本のことだけでなく生活の一部としての読書を語ってくれる(この本の副題も、Notes on reading and life)。名言集的な面もあって、一番最初に引用されている「人格が運命をつくる(ヘラクレイトス)」にのっけから心を掴まれた。 今まで読んだ読書案内ものでは山村修『遅読のすすめ』倉田卓次『裁判官の書斎』が印象深かったが、これもそれらに次いで素晴らしい。あと、お気に入りの作家や本がこういう本で紹介されると嬉しい。2019/05/25
ロピケ
5
読みとおす自身が無かったので、目次を見て興味を持った所から読んだ。結局、全部読んでしまった。著者の豊富な文学に関する知識からおすそ分けいただいた気がする。アイザイア・バーリンの存在を知ったのは収穫。シリル・コナリーという人も面白そうだと思った。バルザックが5万杯のコーヒーを飲んだのは何年間での事なのか気になる。ツヴァイクの伝記を読めば書いてあるのかなあ?2010/05/12
猫のゆり
5
数々の名著から引き出された膨大な量の箴言、名言。染みるなぁ。チャイナ・ミエヴィルが入ってたのには驚いた。2010/03/24
ottohseijin
4
たぶんこの人も、本を食べて生きてきた人。自分の「BOOK BY BOOK」はどんなものになるんだろう、なんて妄想しながら読んだ。2010/05/22
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- 和書
- 経験と判断 (新装版)