物質のすべては光―現代物理学が明かす、力と質量の起源

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152090973
  • NDC分類 423.5
  • Cコード C0042

出版社内容情報

物質は、物というより光のような存在なのか!? 2004年ノーベル賞受賞の天才物理学者が、いま注目の「質量の起源」も含め、物質世界の究極の仕組みとその「見えない真の姿」を明かす科学解説。

磁力や重力を思い出せばわかるとおり、物体のあいだに働く力はふつう、互いに離れるほど弱くなる。離れるほど引きあう力が強くなる、そんな作用を考えるなんて馬鹿げていると皆は言ったが、その「漸近的自由性」を実際に見つけた本書の著者は素粒子物理学を大きく前進させることとなった……素粒子物理学の最先端では、常識を超えた考え方が往々にして現実化する。その世界の第一人者であるウィルチェック博士が、物質の質量の起源などホットかつ根源的な話題をさまざまに盛り込んで語る本書を読むことは、理論物理学者の天才的な発想を垣間見つつ、宇宙のもっとも基礎的な階層の秘密に分け入ることにほかならない。彼が開いてみせるめくるめくヴィジョンは、「否定されたはずのエーテルに満たされ、物質と光の区別のない宇宙」だ。2004年度のノーベル物理学賞をはじめとしてさまざまな賞に輝く理論物理学者が、大胆かつユーモラスに先端科学を説く、ポピュラー・サイエンス・ファン待望の1冊。

内容説明

ノーベル賞物理学者が大胆かつ軽やかに綴る素粒子物理学によるエキゾチックな世界像。

目次

第1部 質量の起源(「これ」に取り組む;ニュートンの第ゼロ法則;アインシュタインの第二法則;物質にとって重要なこと;内側にいたヒドラ;物質のなけのビット;具現化した対称性;グリッド(エーテルは不滅だ)
物質を計算する
質量の起源
グリッドの音楽―二つの方程式のなかの音楽
深遠な単純さ)
第2部 重力の弱さ(重力は弱いのだろうか?実際にはそうだ;重力は弱いのか?理論的にはノーだ;ほんとうにすべき質問;美しい答)
第3部 美は真なるか?(統一―セイレーンの歌;統一―ガラスを通して、ぼんやりと;擁護可能性;統一SUSY;新しい黄金時代の予感)

著者等紹介

ウィルチェック,フランク[ウィルチェック,フランク][Wilczek,Frank]
1951年、ニューヨーク生まれ。1974年にプリンストン大学より博士号を取得。弱冠21歳の時に行なった「強い相互作用の理論における漸近的自由性の発見」により2004年、ノーベル物理学賞をデイヴィッド・グロス、デイヴィッド・ポリツァーとともに受賞した。現在、マサチューセッツ工科大学ヘルマン・フェッシュバッハ物理学教授。先端科学をユーモア溢れる軽やかな筆致で紹介する一般読者向けの科学解説でも定評がある

吉田三知世[ヨシダミチヨ]
京都大学理学部物理系卒業。英日・日英の翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

デビっちん

29
アインシュタインの有名な相対性理論は、E=mc^2という式で表されます。この法則は、ごく少量の質量から大量のエネルギーが得られる可能性があることを示しています。この式を変形すると、m=E/c^2となります。これは質量がエネルギーからどう生じているかを説明できる可能性が示唆されていて、ここから質量は光から生み出されるということがわかります。同じ方程式でも、違うかたちで表現すると、元のかたちとは異なる要相を呈することがあるんですね。+あの法則、変形させて見えてくるものは?2017/10/05

shinano

18
2回目でもやはり理解度は変わらなかったが、量子力学への興味は1回目よりも増えたことを良しとしたい。私たちの宇宙でたった5%弱しかない銀河や私たちを構成している通常物質は原子でできているので、その原子のほとんどの質量をしめている原子核を作っている陽子と中性子のうち、陽子の質量はどのような起源で獲得しているのかを、さらに構成素粒子であるクオークの質量獲得へ論旨を進めていく。著者の場の量子論でのグリッド仮説そしてからっぽと思える空間が実は宇宙空間超伝導からのエネルギー派生というのが興味深い。2011/10/30

Koning

16
ヒッグス粒子にノーベル賞ということで時宜的に借りて読んだ。今の物理学の扱う世界を自身もノーベル賞学者が語る本。文庫版も出ているようなので、そっちが良かったかもしれない。正直具体的に完全に理解出来たかと言えば御免という理解度なのだが、テンポもいいし気付けばぐいぐい引き込まれてしまうというおそろしい本。ぐいぐい読めちゃうので判らなかったのがどこだっけ?というどういう罠があるんだよ!という本かもしれない。SFな青い血が流れている人は読まねばならぬ一冊と断言できる。2013/11/03

shinano

16
そく再読の要ありと認む。  一般人向け物理書とも思えない、基本はほぼ割愛されている。ぼくの苦手な分野の場の量子論、量子電磁気学、量子色力学の地盤がないと、結構わかっていないと、つまずく、ふみはずす、ころぶ。起き上がって、さて、も一度です。2011/10/14

koji

11
難しく、つまみ食いのように読んで読了としました。ただファインマン先生のような洒脱な文体は十分魅力的です。1頁ずつ丁寧に追いかけていくために、図書館ではなく、ハヤカワ文庫で購入します。気に入った箇所だけ書きぬいておきます。「完全性とは何か」について、著者は、「アマデウス」のアントニオ・サリエリがモーツアルトの手書き楽譜を観て言った「音符をひとつ動かせば損なわれる。フレーズをひとついじれば構造全体が崩壊する」から学んだと書いています。これは、対称性を持った系が完全性への道を着実に進むことを表しているそうです。2016/01/17

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