内容説明
信用(クレジット)の創造、バブル、保険、サブプライム…さまざまな「カネ」が世界を動かしてきた(そしてときに停滞させた)経緯を、ハーヴァード気鋭の経済史家がドラマチックに描くNYタイムズ・ベストセラー。
目次
第1章 一攫千金の夢
第2章 人間と債券の絆
第3章 バブルと戯れて
第4章 リスクの逆襲
第5章 家ほど安全なものはない
第6章 帝国からチャイメリカへ
終章 マネーの系譜と退歩
著者等紹介
ファーガソン,ニーアル[ファーガソン,ニーアル][Ferguson,Niall]
世界が注目するハーヴァードの歴史学者。1964年スコットランド、グラスゴー生まれ。オックスフォード大学マグダレン・カレッジを卒業後、ドイツ留学、ケンブリッジとオックスフォードでの講師職を経て、2000年からオックスフォード大学ジーザス・カレッジ教授となる。また、金融史の分野においてはハーヴァード・ビジネススクール教授、スタンフォード大学フーヴァー研究所のシニアフェローも務める
仙名紀[センナオサム]
翻訳家。1936年東京生まれ。上智大学新聞学科卒。朝日新聞社で主として雑誌編集に携わったのち翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
71
金融の歴史をあまり難しい理論などを使わずにわかりやすく書かれています。銀行の誕生から始めて最近のバブルの消滅、あるいはリスクの増大などトピックス的にも的確な点を抑えてくれています。読み物としてはかなり正確に描かれているので参考にはなります。あと最近の動向としてビットコインなどについても触れてもらえばという感じがしました。2015/09/20
中島直人
12
金融の歴史について網羅的に語られた本。勉強になる。エピソードもバランスよく散りばめられていて、ページ数の割に読みやすい。2017/03/24
baboocon
12
銀行、債券市場、株式市場、不動産、金融工学とサブプライム問題、そして中国の経済発展にみるグローバル金融と、テーマ別に金融の進化の歴史を辿っている。それぞれのテーマは独立しているようで次のテーマともつながっていて、ストーリー構成も上手い。最初の大きな株式市場バブルは南海泡沫事件ではなくフランスのミシシッピ社事件だったというのは知らなかった。終わりの方の進化は必ずしもよい方向に進むとはいえないという言葉は印象的。2011/01/05
Shirley
4
2015年1冊目。西洋のお金の仕組みについて丁寧に書かれた本。思ったよりも読みやすく、金融の知識が無い人にとって良い入門用の本だと思う。過去の繋がりから現在の金融システムがわかるため、私にはわかりやすかった。作中で新たに感じた疑問点、東洋、イスラムの金融システムはどのように発展したのかなどが気になったので、今後そのような本も読んでいきたい。2015/01/01
彩也
4
ヨーロッパが他地域に先んじられた理由は俗に「銃・病原菌・鉄」だが、4つめを挙げるならば「マネー」だろう。マネーは、見えるものから見えないものへ(マネーの歴史は信用の歴史である)、浮き沈みを繰り返しながら大きく広がっていく。今や、世界全体の生産高累計より、世界中の株式市場の額面総額の方が大きいのだ。ちなみに、訳はかなりひどい。なぜ、経済金融用語を知らない翻訳家に依頼する…「コールオプション」を日本語にしちゃうレベルってどうなのよ。2012/11/08