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シルフ警視と宇宙の謎

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  • サイズ B6判/ページ数 393p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152090607
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

内容説明

物理学者ゼバスティアンは、提唱する「多世界解釈」理論をめぐって論争の渦中にあった。彼を鋭く批判していたのは、学生時代からの親友で天才物理学者のオスカー。親友との摩擦は、ゼバスティアンの望むところではないのだが…。ある時、テレビの科学番組でオスカーと激しく議論を戦わせた翌日、ゼバスティアンの息子リアムが誘拐される。犯人と思しき人物からの要求は、医療スキャンダルの秘密を握ると噂される妻の同僚を殺害することだった。息子を救うためゼバスティアンは要求に従うことを決意する。だがなぜ、ゼバスティアンが選ばれたのか?天才警視シルフの捜査は、事件の悲劇的な真相を明らかにしていく。ドイツ文学界の新星が放つ哲学的ミステリ。

著者等紹介

ツェー,ユーリ[ツェー,ユーリ][Zeh,Juli]
1974年ドイツ・ボン生まれ。『鷲と天使』(2001)『ゲームへの衝動』(2004)ほか著書多数。現代ドイツを代表する作家であり、ドイツ文学賞、ヘルダーリン奨励賞、カール・アメリー文学賞など数々の著名文学賞を受賞

浅井晶子[アサイショウコ]
ドイツ文学翻訳家、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程認定退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すけきよ

6
ミステリなんだけど、なんか不思議な感触の小説。選択と解釈によって分岐する多世界理論。その解釈を間違ったため、絶望の世界へと転げ落ちる犯人。それを正常に引き上げようとするシルフ警視。しかし、多世界解釈は特別なものではなく、作中でも様々な選択と解釈が散りばめられていて、全体像が見えているのは“観測者”だけ。因果律の輪の中ならば残酷で、自由意志による選択ならばあまりに悲惨。事件とは別に、正しい世界を取り戻そうとするラストは、京極堂の憑物落としに似てるかも。2009/08/31

takao

2
ふむ2023/12/14

garth

2
すべての事物は絡みあい、現実の織物を編みあげる。反ミステリだからミステリファンには嫌われるのかもしれないけど、これは完璧な小説である。ドイツの京極夏彦だな(と思ったらみんな同じこと書いてるから笑った)。2009/11/06

yearning for peace

2
ミステリの要素を含みつつ、基本的には「多世界解釈」を巡る論争とその世界観が焦点となるようだ。正直完全に理解できたとは言い難いが、初老のシルフ警視や論争の当事者であるゼバスティアンやオスカーの人物造形は大変興味深かった。訳者も書いていますが、読んでいる途中で鳥の名前がよく出てくるな、と思っていて、しかもほとんどが漢字表記。気になってはいたのですが、「観察者」なんですね。もう一度読みたいとは思わないですが、妙に心地よい不思議な物語でした。2009/10/10

minoguchi

2
私も京極堂を思い出しました。和洋の違いというだけでなく、タッチも随分異なるのに何故なんだろう。ミステリとして謎解きを楽しむというよりも、その語り口の不思議な手触りを楽しみました。2009/09/18

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