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ハヤカワepiブック・プラネット
観光

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  • サイズ B6判/ページ数 274p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152087966
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

闘鶏に負けつづけ、家庭を崩壊に追い込む父を見守る娘の心の揺れを鮮烈に描く「闘鶏師」。11歳の少年が、いかがわしい酒場で大人への苦い一歩を経験する「カフェ・ラブリーで」。息子の住むタイで晩年を過ごすことになった老アメリカ人の孤独が胸に迫る「こんなところで死にたくない」。美しい海辺のリゾートへ旅行にでかけた失明間近の母とその息子の心の交流を描いた表題作「観光」ほか、人生の哀しい断片を瑞々しい感性で彩った全7篇を収録。英米の有力紙がこぞって絶賛し、タイ系アメリカ人の著者を一躍文学界のホープに押し上げた話題のベストセラー。

著者等紹介

ラープチャルーンサップ,ラッタウット[ラープチャルーンサップ,ラッタウット][Lapcharoensap,Rattawut]
1979年シカゴに生まれ、タイのバンコックで育った。タイの有名教育大学およびコーネル大学で学位を取得後、ミシガン大学大学院のクリエイティブ・ライティング・コースで創作を学び、英語での執筆活動を始める。『観光』でデビューするや、“ワシントン・ポスト”“ロサンゼルス・タイムズ”“ガーディアン”など英米の有力紙が大絶賛し、書評専門誌“パブリッシャーズ・ウィークリー”も「この一年で全米で最も書評される本になるはずだ」と激賞した。2006年には全米図書協会による「35歳以下の注目作家」に選出された

古屋美登里[フルヤミドリ]
早稲田大学教育学部卒、翻訳家、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

197
読メのレビューで見かけて気になった作品です。タイ系アメリカ人の作家さんによる背表紙記載のとおりの「タイを舞台に家族、友人の絆を優しく、美しく綴る珠玉」の素晴らしい短編集でした。淡い青春の思い出な1ページ的雰囲気の作品もあれば、家族の崩壊から再生、父、そして母へのそれぞれの‘愛’、人種や文化の違いを乗り越えようとする親子の葛藤などがとてもクリアに描かれています。でも、きっと本作の最高の貢献者は訳者さんだろうなと。やはり海外モノはいかに読みやすく、流れるように訳されているかにより、印象は大きく変わりますね。 2015/07/24

どんぐり

76
シカゴ生まれのタイ系アメリカ人作家によるタイを舞台に描いた7篇。表題作の《観光》は、アンダマン海を臨む島で「日の出を前にした光景を焼きつけておきたいの」という失明寸前の母親と息子が夏の終わりを一緒に過ごす。視力を失う母親に心を通せる息子の思いが、最後の暗い夜に煌めく一点の光に投影されて実に素晴らしい作品だ。もう1篇、「こんなところで死にたくない」もお勧めだ。タイで車椅子生活を送るアメリカ人が言葉の通じない嫁と孫のいる息子一家と同居し、身体が思うように動かせない苛立ちを抑えきれず、しだいに孤独感をつのらせて2020/04/13

財布にジャック

55
読書メーターで読まれた方の感想を読むと、皆さん褒めてるので、読んでみました。タイを舞台にしている珍しい短編集で、かなりリアルでした。しかし、よその国の話と思ってしまい感情移入が難しくイマイチ私には良さが理解できませんでした。観光という題名は光を観るという意味らしいんですが、光を観るというよりも、闇を観てしまった気がします。でも、巧いという意味では、絶賛されるのは納得な作品なことは確かです。2011/05/15

b☆h

37
『出会い系サイトで〜』に出てきて気になってた作品。タイを舞台とした7篇の短編集で、思い描いてた雰囲気とは違い、哀しみに満ちているが、諦めないところはこの国にはあまりないものだ。タイには行ったことはないけれど、異国の雰囲気は十分に感じられる。生まれた国が違うことは、こんなにも喜怒哀楽が違うのかと改めて感じた。表題作の母親の生き様はかっこ良く、見習いたいと思った。2022/08/03

空猫

30
『出会い系サイトで┄』から。英語で作品を書くアジア系の作家という新しい波に乗って登場した1人だそう。…タイの国は能なしと、ガイジン、犯罪者と観光客の天国よ...(p87)。悪いことはいつも弱き者たち(女、子供、病人、貧困層)へと向かうのだ。観光客が足を踏み入れることのない場所で起きている、その日をやっとの思いで生き抜いている市井の人達を描いた、根底に閉塞感、貧困、憎悪などの負の感情が蠢いている、なんともやるせない、タイ人によるタイが舞台の短編集。タイトルが残念だと思う。2019/08/07

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