数学する遺伝子―あなたが数を使いこなし、論理的に考えられるわけ

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  • サイズ B6判/ページ数 396p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152087911
  • NDC分類 410.4
  • Cコード C0041

内容説明

数学の才能は、実はみんな生まれつきもっている。なぜならば、数学をすることを可能にしている脳の特性は、言葉の使用、つまり、人に話しかけたり、人の話を理解したりすることを可能にしている特性と同じものだからだ。人はだれでも言葉を使えるのだから数学もできる。私たちは「言語の遺伝子」と同様に、「数学の遺伝子」ももっているのだ。では、なぜ数学が苦手という人がこんなに多いのだろうか。それを理解するには、数学とは本当はどんなものか、また、私たちが使う言語の本質がなににあるのかを知る必要がある。なぜ人は数学的思考ができる脳をもつようになったのだろうか。数学者はどこかが普通の人と違うというのか。また、数学をもっと得意とすることができるのか。言語や情報などの分野も研究する数学者キース・デブリンが、大胆な説を展開しながら、これらの謎を解きあかし、数学に対する新たな見方を提示する野心作。

目次

イーグルの翼
数学をするための知性
はじまりは数
だれでもかぞえられる
数学と呼ばれているものはどんなもの?
数学者の脳は特別か
生まれついてのおしゃべり
大きくなって話せるようになった脳
心のなかから
悪魔がひそみ、数学者が働く場所
とらなかった道
ドラマを売るには
日常言語の隠れた構造

著者等紹介

デブリン,キース[デブリン,キース][Devlin,Keith]
1947年イギリス生まれ。ブリストル大学にて数学の博士号を取得する。現在は、数学の手法を適用して、言語、情報の研究に取り組んでいる。スタンフォード大学言語情報研究センターでエグゼクティブ・ディレクターを務め、また、同大数学科で教鞭をとる。数学の啓蒙活動にも熱心で、新聞や雑誌、テレビなどでも活躍する

山下篤子[ヤマシタアツコ]
翻訳家。北海道大学歯学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mft

7
数学の能力は言語の能力を転用している(からみんなやろうと思えばできるんだよ)、という、まあそうだろうなという説。言語の方が説明が長くて若干飽きた。全員が数学の訓練を受ける必要は無く社会的な影響とかを学んで必要性を認識させればいいという方向の提言だったのは意外2023/12/11

つゆき

1
数学する能力の生物学的基盤についての議論。数に対する生得的な感覚(数覚)と抽象的な表象能力の2つが数学を可能にした。前者は動物にも見られるが後者は人間固有。足し算を計算する時、概算をする状況では頭頂葉の数・空間処理系を用いるが、厳密な計算をする際には人は言語を用い、前頭葉の言語関連領域が活動する。言語を含むシンボル的な表象能力が数学(特に算術以上の高度な数学的能力)には重要だが、数学的思考は必ずしも言語によるのではなく、パターンに対する推論や洞察のプロセスが発見をもたらし、論理的証明はその後でなされる。2011/12/26

Skywriter

0
言語を操る能力と、数を理解する能力。この二つが人類進化の推進力になった、というなんとも大胆で魅力的な仮説。乳幼児でも数を認識していることなど、興味深い事例が多いのが魅力。2009/10/08

親橋白金(実は加藤國康)

0
「「数学をする」と表現する、思考のプロセスそのものは、言語的ではない。」のだが「言語の使用を可能にしている脳の特性が、数学の実行を可能にしている脳の特性と同じ」なのだから。。。。といって踏み込む数学の生物学?! 言語も数学も自然科学で解明される時代に私たちはいる。快著♪!2007/12/12

summerman

0
専門家の良いとこも悪いとこも出てる本。本人がわかりやすいと思ってるであろう説明がいまいちピンと来ない。これは訳のせいという可能性もある。前半に紹介された事例や数学者としての主張部分はおもしろいし読者の思考を変える力が確かにあると思う。ただ後半の「証明」部分や結論が退屈だしちょっと願望入ってるし序盤の勢いが失われてるしで拍子抜け。もっと無責任に数学愛を語った方が宗旨替えを促すには効果的だったんじゃないか。そこは数学者の性か。2021/12/12

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