• ポイントキャンペーン

歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 492p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152087393
  • NDC分類 469.2
  • Cコード C0040

内容説明

われわれの生活に欠かすことのできない音楽。この音楽は、いつごろ、どのようにして人類の歴史に誕生したのだろう。音楽は進化の過程でことばの副産物として誕生したというのが、これまでの主要な意見であった。しかし、ミズンは、初期人類はむしろ音楽様の会話をしていたはずだとし、彼らのコミュニケーションを全体的、多様式的、操作的、音楽的、ミメシス的な「Hmmmmm」と名づけた。絶滅した人類、ネアンデルタールはじゅうぶんに発達した咽頭と大きな脳容量をもち、この「Hmmmmm」を使うのにふさわしい進化を遂げていた。20万年前の地球は、狩りをし、異性を口説き、子どもをあやす彼らの歌声に満ちていたことだろう。一方、ホモ・サピエンスではより明確に意思疎通するために言語が発達し、音楽は感情表現の手段として熟成されてきたものと考えられる。認知考古学の第一人者として、人類の心の進化を追究しつづけるスティーヴン・ミズンが、太古の地球に響きわたる歌声を再現する。

目次

音楽の謎―音楽進化史の必要性
第1部 現在(チーズケーキ以上?―音楽と言語の類似点と相違点;言語なき音楽―大脳、失語症、音楽サヴァン;音楽なき言語―後天性・先天性の失音楽;音楽と言語のモジュール性―脳内における音楽処理;乳幼児への話しかけ、歌いかけ―脳の成熟、言語学習、絶対音感 ほか)
第2部 過去(うなり声、咆哮、身振り―サル、類人猿のコミュニケーション;サバンナに響く歌―「Hmmmm」コミュニケーションの起源;リズムに乗る―二足歩行と踊りの進化;模倣する性質―自然界についてのコミュニケーション;セックスのための歌―音楽は性選択の産物か ほか)

著者等紹介

ミズン,スティーヴン[ミズン,スティーヴン][Mithen,Steven]
レディング大学人間環境科学部長、大学院研究科長。先史時代を専門に研究する考古学者で、スコットランド西部、ヨルダン南部で発掘調査を行なってきた。近年、人類の心の進化に焦点をあてた認知考古学の分野で目覚ましい活躍を見せる

熊谷淳子[クマガイジュンコ]
大阪教育大学の言語障害児教育教員養成課程卒業後、コロラド大学修士課程でオージオロジーを修める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zoe

19
(2005年)音楽と運動は切り離せないもの。言語と音楽の組み合わせに再帰性が見られるのは、ヒト属。600万年前以降?感情は、恐らく霊長類共通で、発声と関わる。失語と失音楽はそれぞれ単独に起こる事がある。しかし、短い韻は認識できる。即ち言語とメロディは、単一の神経回路を使用する段階があり、ピッチと時間パターンの短期記憶を保持。言語は音楽から派生したか、音楽は言語から派生したか。共通のミュージランゲージ、「Hmmmmm」から分化したとする。2020/09/19

NezMozz

4
ボカロを聴くようになるまで、私の中で本と音楽は別のものだった。全くクロスせず、それに疑問も不満も特に抱かなかった。しかし「人ならざる者が歌う人の歌」を知ってからはその2種がクロスする。歌とはなんだ?音楽とはなんだ?という問いを持ち、音楽の意味を考える聴き手となった。私は知りたい。真剣に知りたい。なぜ人は歌うのか(そう、機械の助けを借りてまで!)なぜ音楽は人を動かすのか。音楽とは何か。言葉とは何か。音楽の快楽も言語の悦楽も私は知っている。私は音楽を言語で読みたいのだ。実はこの欲求を叶えてくれる本は少ないのだ2013/02/04

マサ

2
考古学、人類学、心理学、神経科学などの様々な分野の成果を背景として、音楽、言語の進化について論じている。巻末の膨大な文献資料に驚くとともに、この分野が現在進行形の研究である事が分かる。音楽で感情を表したり受け取ったりすることは言葉での表現よりも何となく脳の奥の方に依拠している様な感じがしていて、著者の進化的な意味づけは非常に興味深い。ホモ属に音楽は欠かせないものだったのだなあ。2021/01/14

Kota Abe

1
言語学とか脳科学とか人類学とかの角度から攻めている音楽とは何か、音楽の根源は何かについての深掘り本。 レア本なので身近にはないと思っていたのですが、最初の出会いは数ヶ月前に知り合いの大学生の大学図書館にあったものを借りてもらって、二度目はなんと意外にも先週近所の図書館で発見! ネアンデルタール人と話してみたい、いやネアンデルタール人になってみたい。音楽に満ち溢れた世界、いや極端に言うとコミュニケーション体系が音楽的なものだったとしたら世界が音楽そのものだったのかもしれない。そんな仮説。2023/01/03

S‐tora

1
言語コミュニケーションと音楽の起源と発展について、文化人類学、脳神経科学、心理学、社会学、考古学など、様々な知見を基に考察する本。 心理屋にも刺激的で面白かった。2019/10/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/65948
  • ご注意事項