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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152086884
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

結婚4年目の若い夫婦バーニーとカレンは不妊に悩んでいた。カウンセリングを受けるが成果はなく、二人の仲はぎくしゃくしたものになっていく。そんな時、バーニーの勤務先で放射能事故が発生する。会社の発表によれば、汚染は最小限にとどまり大惨事は防がれたというが、事故から数週間後、バーニーとカレンの体には吐き気やめまいなどの奇妙な異変が…。しかもこの最悪の時期に、カレンの妊娠が判明する。はたして、胎児に放射能の影響はあるのか?夫婦はこの子に生を与えるべきか?―突然の災厄に翻弄される夫婦が経験する、愛の崩壊と再生の軌跡を描きあげた衝撃作。

著者等紹介

キイス,ダニエル[キイス,ダニエル][Keyes,Daniel]
1927年ニューヨーク生まれ。ブルックリン・カレッジで心理学を学んだ後、雑誌編集などの仕事を経てハイスクールの英語教師となる。このころから小説を書きはじめ、1959年に発表した中篇「アルジャーノンに花束を」でヒューゴー賞を受賞。これを長篇化した作品がネビュラ賞を受賞し、世界的ベストセラーとなった。その後、オハイオ大学で英語学と創作を教えるかたわら執筆活動を続け、『五番目のサリー』『24人のビリー・ミリガン』など話題作を次々と発表した。現在は教職を退き、フルタイムの作家生活を送っている。フロリダ州ボカ・ラトン在住

秋津知子[アキツトモコ]
津田塾大学英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

49
結構鈍い痛みが伴い続け、読むには呻吟してしまった。放射能漏れ~誰しも予測できない事故である・・がそのリスクは身近にあり、自分だけは「罹災しない」と平和に思っている。バーニーとカレン夫婦もそうだった。化学事故の叙述というのではなく、かなり細部を綴る素晴らしい心理ドラマ。改めて筆者は心理学者である作家だと感じる。男は《(人間は)って言い替えられるかも》毎日毎秒少しずつ崩壊して行く・・生きた放射性アイソトープと言えるのかも。それに比する妻の案外な無神経さが気になった。ラストの衝撃・・日本の小説ならこうしないな。2017/05/19

のっち♬

40
理不尽かつ不可逆な事故により放射能汚染されたバーニーと妻カレンの変遷を通して、著者は人間がいかに動き、希望を見出すかを綴っている。「わたしたちはみな、人に被害を与えると同時に自分も被害者なのよね。誰もが苦痛を受け、与えるように出来ているのよ」広がる感染、腐敗、汚染。経済面と政治面から責任より隠蔽を選ぶ者たち。「原因を非難できないとき、人はその手段となったもので間に合わせる」最新の科学、医学常識とは一致しない部分もあるが、結束された憎悪の矛先で二人が苦悩する様にある種の普遍性を感じる。これが真の後遺症か。2019/03/16

むつこ

23
1968年に出版。不妊治療をしているうちに夫婦仲が悪くなってきた状態で放射線物質による事故に遭遇します。「放射線ちり」と呼ばれる粒子の存在がまるで伝染性の菌やウイルスのようにコロコロと至る場所で発見される様に誤解を招くようではあるけれどわかりやすい例え方だと思った。子供の欲しい男女の心理描写も含め、あの時代(出版当初)にここまで表現できることに驚き、科学の進歩は光のように早いけれど人の心は時代が変わっても同じなんだなぁー。2014/12/09

はせこー

8
この本は読む人によって捉え方が変わるやろうな。 事の大きさは違うにしても、同様の出来事は身近で起こってるだろうな。 どう反応するかはその人次第。2012/12/24

zanta

7
かなり昔に読んだ本の再読だった。事故からあと、夫婦に起こる被害や迫害まで痛々しい思いで読む。姉が信仰を持ち出すあたりから解りにくくなったが、互いを思いやりながらすれ違う姿は身につまされる。2012/09/30

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