内容説明
日本企業が出資し、アフリカの密林を切り拓いてコーヒープラントを作ろうとしている現場で、現地の作業員が失踪するという事件が起こった。捜索を続けるにつれ、事件は奇怪な様相を呈しはじめる。一方東京では、ある男が原因不明の皮膚感覚の亢進に見舞われていた。手が触れる道具、肌に当たる風、すべてのものがこれまでにない感覚を伝えてくる。そして一見無関係に見える両者には、実は奇妙な共通点があった!?日本推理作家協会賞受賞の鬼才が、満を持して放つ異常感覚SF。
著者等紹介
浅暮三文[アサグレミツフミ]
1959年兵庫県生まれ。広告代理店勤務ののち1998年、『ダブ(エ)ストン街道』で第8回メフィスト賞を受賞してデビュー。誰も見たことがないもの、感じたことがないものを表現する、イメージの確かさには定評がある。嗅覚異常の人間を描いた、1999年の『カニスの血を嗣ぐ』を始めとする、感覚異常に材を取った一連の作品があり、2003年には、聴覚異常を題材にした『石の中の蜘蛛』で第56回日本推理作家協会賞を受賞した
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