ねじとねじ回し―この千年で最高の発明をめぐる物語

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  • サイズ B6判/ページ数 181p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152085047
  • NDC分類 531.44
  • Cコード C0040

内容説明

ねじとねじ回しの起源を探りながら、著者は甲胄や火縄銃史への脱線を楽しみつつ、ねじにまつわる技術を精密化し、標準化し、改良した天才技術者たちの姿を鮮やかに謳いあげる。技術史の風変わりな一面を見事に切り取った、探偵小説のように愉しい歴史物語。

目次

第1章 最高の発明は工具箱の中に?
第2章 ねじ回しの再発見
第3章 火縄銃、甲胄、ねじ
第4章 「二〇世紀最高の小さな大発見」
第5章 一万分の一インチの精度
第6章 機械屋の性
第7章 ねじの父

著者等紹介

リプチンスキ,ヴィトルト[リプチンスキ,ヴィトルト][Rybczynski,Witold]
ポーランド系の両親のあいだに、エディンバラに生まれる。現在ペンシルベニア大学マーティン&マージ・メイヤーソン都市学教授。『心地好いわが家を求めて』をはじめとする、建築・住宅から技術文化一般までを扱った著書多数

春日井晶子[カスガイアキコ]
東京外国語大学卒。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yyrn

33
道具や日用品には2通りある。少しずつ改良が進み現在の姿になったモノと、ある日突然この世にあらわれて現在も同じように使われているモノと。本書のテーマとなったネジは前者で20世紀のプラスねじの量産化の前にはマイナスねじや四角頭のネジの時代が長く続き、さらに中世までは絵や文献で辿れて、ココまでかと思われたが、実はアルキメデスの紀元前まで遡られた!と教えてくれる面白い本。資料を探っている内にどんどん新たな発見があって作者の興が乗っていく様子がエッセイ風に綴られて楽しい。「科学道100冊」に選ばれている本。2021/05/14

鐵太郎

20
この千年間で「道具」として最高のものは何か、という問いに、作者は「ねじとねじ回し」という回答を出します。そして書かれたのがこの本。ねじの歴史、意味から始まり、それがもたらしたさまざまなもの。アルキメデスねじとは何。釘とハンマーの組み合わせに対し、ねじとねじ回しが優れていたところとは何か。著者が20世紀最大の発明と讃えるロバートソンねじを、フィリップスねじはなぜ駆逐できたのか。面白い。テーマがテーマですので、工学に全く興味がない人には面倒かもしれませんが、歴史的にも楽しいネタが転がった、面白い本です。2005/12/28

スプリント

15
身近にありすぎて気が付きませんが偉大な発明ですね。2019/07/07

ダンスにホン!ころりん

12
20030715初版発行 131126読了歴史的建造物の構造や建て方は想像しても工具まで考えたこともなかった。ねじが登場してからつい「半沢ネジのお父ちゃん」の口調で読んでしまった。博物館や美術館の絵からねじがいつ頃から使われどんな進化を遂げてきたのかを紐解く旅をしてきた気分。 ねじとねじ回しがなければキャプテン・クックの大航海もなかった。小さな工具に詰まった知恵と技術と完成度の追求、すごかった。2013/11/26

Miyoshi Hirotaka

12
ねじは中世に発明された。最初は甲冑や鉄砲の連結部分の工夫だったものが他の分野に応用さたと推測される。16世紀には大量生産が可能になり、18世紀には高精度化。六分儀の精度は300mとなり、キャプテン・クックの偉業達成に貢献。19世紀には規格が統一され、グローバル・スタンダードの先駆けに。プラスねじを生んだのは1930年代の米国自動車工業、それが日本に入ってきたのは1950年代。当時、未曽有の経営危機の中、世界市場への進出を決意した本田宗一郎によってであった。この千年間で最高の発明といっても過言ではない。2013/08/01

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