サラマンダー―無限の書

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  • サイズ B6判/ページ数 372p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152085009
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

究極の書物を作るため、不思議な冒険の旅に出た職人の姿を描く、めくるめく物語。ときは18世紀。ロンドンの印刷工フラッドは、スロヴァキアのある伯爵から、からくりに満ちた奇妙な家に招かれた。奇書コレクターの伯爵は、「始まりも終わりもない無限に続く本を作製せよ」とフラッドに命じる。だが、フラッドは伯爵の美しい娘イレーナと恋に落ちて伯爵の逆鱗に触れ、城の地下に幽閉されてしまう。11年後、地下牢のフラッドの前に、彼の娘と名乗る少女パイカが現われた。伯爵も亡くなったいま、二人は魔法の活字、哀しみを誘うインク、伝説の製造法による最高級紙など、極上の材料を探し求め、仲間とともに世界中をめぐる航海に出る。だが、ヴェニス、アレキサンドリア、広東と行く先先で一行を妨害する人物が…!すべての本好きに贈る奇想天外な幻想譚。

著者等紹介

ウォートン,トマス[ウォートン,トマス][Wharton,Thomas]
1963年、カナダのアルバータ州生まれ。長篇第一作のlcefields(1995)でコモンウェルス新人賞をはじめ、多数の文学賞を受賞するなど、華々しいデビューを飾った。第二作の『サラマンダー』は2001年に発表されるや、マイケル・オンダーチェやイサベル・アジェンデと比せられ、大きな話題となった。本国カナダのほか8カ国で翻訳されている。エドモントン在住

宇佐川晶子[ウサガワアキコ]
立教大英米文学科卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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fig

7
無限の本と製本の話ではあるが、本の語る内容についての物語ではない。幻想譚とある通り、実際的に順を追って理解しようとしても難しい。本の1ページ1ページをめくるように、淡々と一行の旅を眺めて空気を感じるのは、楽しさとは違うものの悪い気分ではない。ただ、私は、発端となる前半のいびつさに支配された城の部分の方が面白く読めた。2009/09/21

リュミエール

3
★★★☆☆ 印刷工フラッドが伯爵邸に招かれ、その奇妙なからくり仕掛けの建物での話は興味深かったが、フラッドが幽閉されてからは一気に趣が変わったというか、登場人物たち、そして話自体もどこに向かおうとしているのか掴めなくなってしまった。読者としては、訳の分からぬままただただ彼らについてあちこち引き回されたという印象。いろんな場所に立ち寄り、いろんな人々の話が挿み込まれ、はっきりしない部分も多く、全てが幻、パイカが創り出した壮大なるフィクションだったかのような、何とも言えない暗澹とした空虚感が残った。2017/06/03

らるふる

3
自分には合わなかったです。序盤のお城での話はまあまあ面白かったけど そこからまったく面白くなかった。。中盤女海賊がでてくる辺りでちょっと盛り返したけど最後まで読むのが苦痛でした。2012/03/20

LittleLily

2
なんだか掴みどころのない物語でした。頭にするする入ってくるかと思えば、文章の意味が掴めなくなることもしばしば。 かと言って退屈なのかといえば、ページを捲る手が止まらなくなったり…。哲学的、幻想的とも言えるけど、垣間に覗く狂気と悪夢。不思議な世界観でした。2017/06/24

1
物語というより、機械仕掛けの「なにか」というような本でした。それぞれの話という歯車で作られた、完全な形を持たない何か。物語がキッチリ終わらなくても大丈夫な人向け。2010/06/02

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