ハヤカワSFシリーズ
太陽の簒奪者

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152084118
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

西暦2006年、突如として水星の地表から噴き上げられた鉱物資源は、やがて、太陽をとりまく直径8000万キロのリングを形成しはじめた。日照量の激減により破滅の危機に瀕する人類。いったい何者が、何の目的でリングを創造したのか?―異星文明への憧れと人類救済という使命の狭間で葛藤する科学者・白石亜紀は、宇宙艦ファランクスによる破壊ミッションへと旅立つが…。星雲賞・SFマガジン読者賞受賞の傑作短篇、待望の長篇化。

著者等紹介

野尻抱介[ノジリホウスケ]
1961年三重県生まれ。計測制御・CADプログラマー、ゲームデザイナーを経て、1992年、ゲーム「クレギオン」のノヴェライズ『ヴェイスの盲点』で作家デビュー。1999年に発表された『太陽の簒奪者』の短篇版が、SFマガジン読者賞、星雲賞を受賞。アーサー・C・クラーク的な硬質の叙情をかもす宇宙SFの書き手として、今後の活躍が期待されている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

酔花

4
冷徹な論理と秘めたる情熱。野尻作品を形容するにはこのフレーズが適切だろう。水星から生成され、太陽を覆っていく謎のリング。この序盤の展開から日照量の低減に伴う環境変動を抑えるためにリングを破壊する第一部と、破壊時に明らかになった事実からファーストコンタクトに向けて物語が始動する第二部に分けられる。個人的な好みでいえば、前置きでしかない第一部のほうが楽しく読めた。第二部も社会情勢にも踏み込んだ綿密な書き込みによって、無言のファーストコンタクトに対する人の恐怖も良く表現されており面白い。2013/10/11

中山りの

3
SFの醍醐味は知的好奇心を刺激されること。そのなかには「意識」とか「心」とか、十分に説明できない事象に対する新たな言説も含まれていたりする。 シナリオがおもしろいだけでも、それはそれでいいのかもしれないが、文体や言葉だけだからこそできる表現みたいなものがあると、なおいい。 地球外生命体のあり方が興味深かった。考えてみると自分も全体の一部で、何かに組み込まれているだけなのかもしない。2015/12/21

しゅんち

3
水星に突如現れた構造物、そこから生み出される太陽を覆う膜。異星からの襲来者とそれに対する人類。日本人女性科学者を中心とした太陽系に初めて襲来する異星人とコンタクトを描いた作品。宇宙を舞台としながらも知的生命の進化の先を考えさられる内容。知性は情報なのか、それとも肉体を持って初めて知性いえるのか。 テーマは他の作品でも取り上げられる内容ですが、テンポよくわかり易い文章で楽しめます。2013/04/09

Mariyudu

2
尻P四冊目は出世作を長編にリライトした'02年の金字塔を。他の作品で見られる小気味良い軽妙さが抑えられ、代わりに(強くはないけど)陰りと緊張感が湛えられていて、少々驚いた。ワープだの亜空間だの玩具じみた小道具無しで、現実と地続き感のある技術だけで編まれているのに、20年近く経って全く古びてないのは尻Pマジックと言う以外無い。エピローグも泣ける。2020/08/14

isutabi

2
・水星の異変に最初に気づいた一人である白石亜紀はその生涯のほとんどをそのことを発端とした一連のできごとに費やすこととなった。 ・水星の異変は宇宙を渡る知的生命体がとある目的のためになしたと予測されたが彼らはなぜか地球からの働きかけを完全に無視しているようだった。 ・アリやミツバチとか植物とかが進化して群れ全体が一個の生物、あるいは脳となった知的生命体と果たしてコミュニケーションとれるのかとかはずっと考えてた。「マクロス・フロンティア」のバジュラとか「ガンダム00」のELSとか。そんな感じの話かなあ。2020/08/14

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