内容説明
1945年、妹のローラは車ごと橋から転落して死んだ―あれは本当に事故だったのだろうか?いま、年老いた姉のアイリスは、孤独のなか自分の来し方とともに思い返す。それに、ローラの死後出版され、彼女を伝説の作家にまつりあげることになったSF小説『昏き目の暗殺者』に描かれた恋人たちは誰がモデルなのだろうか?わたしたちチェイス家は代々、釦工業で財をなす、ポート・タイコンデローガの町いちばんの名家だった。だが、労働運動の激化で家業が傾き、わたしは父のライバルに台頭してきたリチャード・グリフェンのもとに嫁ぐことになった。無垢そのもので世事に疎い妹ローラには、家運を背負ってのわたしの決心など理解しようもなかった。やがて、娘をもうけたわたしの前に、すべてを突き崩す事実が立ちふさがる…。ある一族の波瀾の歴史を、孤独と追憶の迷宮のなかに描く、近代・現代文学の総決算。稀代の物語作家が類稀な想像力と圧倒的表現力で紡ぐブッカー賞、ハメット賞受賞作。
著者等紹介
アトウッド,マーガレット[アトウッド,マーガレット][Atwood,Margaret]
小説・詩・評論・児童書などさまざまな分野で活躍するカナダの代表的作家。1939年、カナダのオンタリオ州オタワ生まれ。トロント大学、ハーバード大学大学院などで英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭をとる。1966年に詩集『サークル・ゲーム』でデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1969年発表の初の長篇小説『食べられる女』では結婚を前にした働く女性の自我の危機を“食べる”行為を通して描き、文壇に衝撃を与えた。1986年には『侍女の物語』で二度目のカナダ総督文学賞を受賞。諷刺に満ちた不気味な未来社会がジャンルを超えた幅広い読者を魅了し、世界中にその名を知らしめた。その作品は世界20カ国以上で翻訳され、カナダ国内のみならずヨーロッパなどでも数々の文学賞を受賞している。『昏き目の暗殺者』で2000年のブッカー賞、2001年のハメット賞を受賞した
鴻巣友季子[コウノスユキコ]
お茶の水女子大学大学院修士課程英文学専攻、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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