Hayakawa novels
ボトムズ

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  • サイズ B6判/ページ数 303p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152083760
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

暗い森に迷い込んだ11歳のハリーと妹は、夜の闇の中で何物とも知れぬ影に追い回される。ようやくたどり着いた河岸で二人が目にしたのは、全裸で、体じゅうを切り裂かれ、イバラの蔓と有刺鉄線で木の幹にくくりつけられた、無残な黒人女性の死体だった。地域の治安を預かる二人の父親は、ただちに犯人捜査を開始する。だが、事件はこの一件だけではなかった。姿なき殺人鬼が、森を、そして小さな町を渉猟しているのか?森に潜むと言われる伝説の怪物が犯人だと確信したハリーは、密かに事件を調べる決心をする―鬼才が恐怖の原風景を描き、最高の評価を得た傑作ミステリ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。

著者等紹介

ランズデール,ジョー・R.[ランズデール,ジョーR.][Lansdale,Joe R.]
テキサス州グレードウォーター生まれ。テキサス大学卒業後、様々な職業を転々とし、1980年Act for Loveで作家デビュー。以後、黒人と白人の異色コンビ、ハップ&レナード・シリーズをはじめとして、ミステリ、ホラー、ウェスタンなど様々なジャンルの作品を手がけている。発表した長篇は本書を含めて14作、短篇作品は200篇を超え、世界幻想文学大賞やブラム・ストーカー賞の常連受賞者でもある。合気道や拳法を学び、独自に考案した護身術の師範として多くの門弟も抱えている。テキサス州在住

大槻寿美枝[オオツキスミエ]
1959年生れ、神戸市外国語大学英米文学科卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

訃報

6
あらすじとタイトルから暗黒ジュブナイルミステリを期待して読んだが、友情や恋などの青春要素はゼロで、少年時代の喪失が示されてはいるものの、実質は陰惨な黒人差別に立ち向かう父と子の物語だった。そしてこれがまたよく書けており、謎解きは途中からどうでもよくなってしまった。偏見が身を守ることはあるかもしれないが、そんなの結果論に過ぎないのであって、やはり差別などクソくらえだ。2013/05/01

hinarin

3
図書館で適当に借りた初読みの作家さんでしたが、とてもおもしろかった。1930年代のアメリカ。黒人差別が根強く残っている時代におこった連続殺人事件。最初の死体を見つけてしまった少年が主人公。犯人は途中でわかってしまったのですが、事件のミステリ要素よりも黒人差別問題、事件によってうちのめされる少年の父親、そして最高のおばあちゃん。そちらの物語がとても読み応えあり。2012/05/20

おふねやぎっちらこ

2
案外面白かった。芦田文庫はそこそこのレベルを保っている。2002/10/08

yoru

2
1933年テキサス州東部。主人公兄弟の日常へ、時折紛れ込む猟奇殺人と大人への寛容。飼い犬のトビーは初っ端から体に障害を追うが、最後まで活躍していて影の主役だと思う。おばあちゃん同士のパイ作り対決の場に居合わせたい。2014/07/08

万博

2
良かった。1930年代、アメリカ南部。奴隷差別が色濃く残る、低湿地帯=ボトムズの街で連続殺人事件が起こる。その発端となる死体の第一発見者の少年が、年老い過去を語りはじめる。そこにあるのは、粗野で残酷ではあるけれど、「旧き良き」アメリカの姿。ミステリではありますが、犯人うんぬんよりも、人々の生き様が真に迫ってくる人間ドラマ。生と死、自然への向き合い方、貧しくも支えあう街の様子、差別意識、集団の恐ろしさ、そして家族。淡々とした語り口が暗闇を引き立たせ、背筋が寒くなる場面も。個人的にはトムのその後が悲しかった。2012/09/08

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