Hayakawa novels
暗黒街のハリー

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  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152083326
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

英国がまだ戦争の痛手から立ち直れず、不景気と不安が社会を覆っていた1960年代。ロンドンの裏社会でのしあがった一人のギャングがいた。「拷問好き」と綽名され、詐欺、麻薬密売、ポルノ販売、買収、脅迫、さらには殺人にいたるまで、悪いことならなんでもこなし、いまやかのクレイ兄弟と覇を競うまでになった男、ハリー・スタークス。だが、手下たちにも見えにくい意外な顔を、ハリーはまた持ちあわせていた。オペラを聞き、チャーチルを尊敬し、有名人には弱く、愛した青年たちや母親には優しい。その真の姿を知る者はどこにもいない。度胸と奸知と暴力を武器に、次々と敵を消し、金を掻き集め、やがて時代が彼を必要としなくなるまで、ハリーは暗黒街を駆け抜けていく…激動の時代を背景に、一人のギャングが、いままさに伝説となってゆく。

著者等紹介

アーノット,ジェイク[Arnott,Jake]
1961年生まれ。ロンドン郊外で育ち、16歳で学業を終えた後、肉体労働をしつつ、さまざまな職につく。手話通訳者、画家のモデル、さらには映画のエキストラなどを経験し、1999年に『暗黒街のハリー』で作家としてデビューした

佐藤耕士[サトウコウジ]
1958年生まれ、上智大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家。訳書に『生への帰還』ジョージ・P・ペレケーノス、『図書館長の休暇』ジェフ・アボット(以上早川書房刊)他多数
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感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

28
1960年代のイギリスの暗黒街をのし上がってきたゲイで拷問好きのギャング、ハリー・スタークス。しかし、彼は躁鬱病で鬱の時はオペラを聞いて回復し、ラッセルの「西洋哲学史」が愛読書、チャーチルを尊敬し、家族や懐に入れた者にはとことん、優しい人物でもあった。ポルノの闇販売、LSDの台頭、ヒッピー、過激化するウーマン・リヴ、犯罪者の逸脱研究の興亡などの文化を織り交ぜながら「藪の中」形式で語られるハリーの伝説。それは禍々しくも人情ある人物の記録でもある。ムー二ィとジャックはいけ好かないがハリーとビアズレーが好きです2013/07/05

Tsutomu Yamamura

0
2001年発行。盛岡市立図書館には、この頃のミステリ―が多いような気がします。私が選ぶのがこの頃の本だということかもしれませんが。題名通り、暗黒街のギャングが主人公の物語。ハリーの姿を直接的に描くのではなく、5人の話し手がそれぞれの立場からハリーを語っていくという形式になって、短編小説集の趣です。アメリカ的なストレートなお話しではなく、込み入っているというか、複雑というか。そのあたり、英国的なのでしょうか。2016/12/10

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