内容説明
グロテスクな怪奇幻想をロマンチックに描き、幅広い層に根強い人気を持つブラッドベリ。イメージの魔術師が、目にも止まらぬすばやさで繰りだす、色あざやかなシルクのような21の夢想をお楽しみあれ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
6
ラノベぽい表紙の影響もあってか、今ひとつ入り込めなかったというのが、正直なところ。全体として悪くはないのだが、著者特有の詩情や切なさが希薄で、ドタバタ喜劇的な要素が強いという印象が拭えない。個人的にとりわけ印象に残ったのは「九年目の〜」か。一瞬夫婦崩壊と思わせて、結局ハッピーエンドで締めくくられるという展開に何とも言えずグッとくる。それと対照的なのが、「優雅な殺人者」。お互いに相手を出し抜こうと争う二人が、結局自分の策に溺れるというのは、ありがちなパターンだけど、この作品には独特の悲哀と可笑しさがある。2020/03/31
5
2
お互いを楽しんで殺し合おうとする老夫婦、「優雅な殺人者」。図書館での愛情深き再会、「交歓」。2015/12/07
海さん
0
ブラッドベリをこれだけ読んできて、未だ読んでいない話ばかりだったことにまず驚いた。とにかく素敵な作品ばかりで、1話読み終わるごとに本を閉じ、余韻を楽しみ、次の作品を読む、の繰り返し。どれが一番好きとか言い切れないけど、「最後の秘跡」はブラッドベリの願いなんだろうなとか「何事もなし、…」の元になった歌を延々聴いていたブラッドベリ少年を想像したり、彼に寄り添うような1冊だった。だからこそのこの表紙イラストは残念で仕方ない。2017/12/07
プテラノドン
0
ブラッドベリは天才だな。本書が発行されたのが彼が76歳のとき。この年でよくもまぁ、こんなイマジネーション豊かで捻りの聞いた話を生み出せるものだと感心する。 以前、投げ出した火星年代記を手にとってみようか。2013/06/10
syachi
0
純粋にSFのみではなく、他のジャンルも含まれている短編集。自分も登場人物のような気のきいた返しをしてみたいもんです。2012/09/13