シーラという子―虐待されたある少女の物語

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シーラという子―虐待されたある少女の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152079992
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

内容説明

その子は、垢で黒ずんだ顔に敵意むきだしの目をした、六歳にしてはずいぶんちっぽけな子供で、ひどい臭いがした―名前はシーラ。季節労働者用のキャンプに住み、傷害事件を起こしたために精神病院に入ることになっていたが空きがなく、著者トリイの教室に送られてきたのだった。トリイは、あらゆる障害児教室から見放された自閉症や強迫神経症の子供たち八人をすでに抱えていた。シーラは、決してしゃべろうとせず、泣きもせず、何かやらせようとすると、怒りくるい金切り声をあげて大暴れする。ただでさえデリケートな子供たちがパニックに陥った。こんなに扱いにくい子供ははじめてだった。けれども辛抱強く接していくうちに、彼女が知的障害児どころか、ずばぬけた知能の持ち主であり、そして、心身に虐待による深い傷を負っていることがわかる…。家庭内暴力、貧困、性的虐待に蝕まれた少女が、堅く閉ざされた心をおそるおそる開き、ひとりの献身的な教師と深い信頼の絆で結ばれてゆく姿を描いた全米ベストセラー。22カ国語に翻訳され、世界じゅうで大きな反響を呼んだ感動のノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

120
読み終わってこのノンフィクションがたったの5ヶ月の短い期間だったのかと内容の濃さに気付く。そしてシーラがまだ6歳の子供なんだよねと驚かせられた。6歳の子供が自分を守る為に自分以外を拒絶するなんて悲しかった。それでもトリィが彼女を理解しようとし段々と心を開いていく様子にシーラがとても愛おしく思いました。エピローグの詩が心に焼き付きます。2021/04/15

ぱんぺろ

42
「読んでいてアンタのこと思い出したよ」といって、この本をくれた人がどういった気持ちだったか未だ訊くにいたらないが、私にとって大きな読書体験になるだろうと予測してくれたことはなんとなく解る。久しぶりの再読。読メをはじめさせてもらって、フランクルの『夜と霧』と本書だけは絶対に感想しなきゃいけないと思っていた。いながらここまで登録が遅くなったのは、内容が内容だけにどうしても作文が歪になってしまいそうだったから。児童虐待をあつかった本としてはかなり軽く、読みやすく、また希望にもあふれたよいことづくめの良書→2018/11/07

detu

41
6歳の少女が3歳の男子を木に縛りつけ火をつけた。考えるにおぞましい事件であり子供だ。その少女シーラの受け入れ先が見つからず情緒障害児を受け持つ著者のクラスにやって来た。凄まじいまでの少女との戦いを経て徐々にシーラは心を開き始める。愛される時期に全うな愛情も注がれず虐待ばかりを受けた子供は心を閉じ全世界を敵と見なす。児童虐待、我が国でも数に暇はない。死に至る事件があったばかり。虐待は負の連鎖でもある。シーラは物事を受け入れることを知る。教育の重要性を説いている。その後シーラはどうなったか?続編があるようだ。2019/10/21

舟江

41
「暴力、貧困、虐待に蝕まれた少女が堅く閉ざした心をおそるおそる開き、一人の献身的な教師と深い信頼の絆で結ばれてゆく婆を描いた感動のノンフィクション」と裏表紙に書かれていたが、10年後又は20年後には、間違いなく日本でもこのようなことが起こるのだと思うと、背筋が凍り付いた。2018/06/27

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

34
障害児教室に来たシーラという6歳の女の子のノンフィクション。汚れきって叫び声をあげたり暴れたりしてたところから始まり、少しずつ担任と関わり他人とも関わる様になるまで。担任のトリイはシーラのずば抜けた知能指数に気がつき、その知能を伸ばしつつ社会的な学習も伸びていって欲しいと切実に悩む。ネグレストの子が自分の気持ちをきちんと言葉で説明するまでにする困難さ。それは本来は親が行う学習だから。次作でシーラはどのように成長しているのだろう?2021/03/20

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