内容説明
めでたし、めでたしで終わったその後、王子様が禿げ、お姫様が中年女になるとどうなるか。はてしない日々の務めで疲れきり、とまどい、人生の途上で立ちすくんでいるとき、昔話という思いがけない場所に、魔法と英知が用意されている。夢が深層心理を映す鏡であるように、それらは人間の無意識の知恵を映し出す。３０歳を過ぎるころから直面する心の危機におおいに役立つ物語を、ここに処方しよう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
学び舎くるみ
10
中年から女性が強くなって、オタオタしているパートナーをぐいぐい引っ張ってたりするお話が多く痛快。童話と解説といった形なのでわかりやすい。終活をするならこの辺りの精神的な準備から始めたい。2019/05/28
luther0801
5
読書会で紹介を受けた本。童話にはそれぞれの教訓が込められ、解説が加えられていて読みやすかった。好きだったのは、「がんこな夫、がんこな妻（役割の逆転）」と、「王様になった妻（中年の女たちの解放）」。2013/03/29
Arowana
4
原始の大樹のように成熟しきった古の物語は、それと向き合う者の目の前に心の深層を映し出す水鏡を現出させ、人生の知恵を与えてくれる。そのようにして人のこころを癒す力をもっているのだろう。ときには静穏な神秘世界のなかに心をしずめてみる試みも大切だろう。2013/03/30
yonaga
3
図書館本。童話が人間への様々な教訓とか示唆を示している事は知っていたがその中に中年童話というカテゴリーがあるのは知らなかった。今男女共同参画という言葉があるが本書の中には困難に対して知恵と行動力でたくましく立ち向かって勝利していく女性が登場する。どちらかと言えば男性は助けられる存在。有名な童話にはなかなかない設定だ。終章の死と心の旅では勤勉に働き他人を助け単純な日常の秩序を尊べと童話は教えている。人生とは特別な事を成し遂げる事ではなく退屈な日常をいかに大切に生き抜くかという事だと実感させられた。 2017/10/23
タイガ
3
★茶番《徒花が一輪咲いていました。花弁が珍しいことに黒色でした。……ブラックチョコ食べたくなってきた》★なんまら、ためになったわ。この前に魔女の本読んでたから女尊男卑の童話を読むとあ～こうなりたかったんだなー～て昔の人の気持ちを感じられました。それな！って同意する点は多々ありましたが、それと同じだけ、それは違うだろて点もありました。多分時代が違うからだと思います。これ発行されたの1995年だもん。インターネット普及前はこうだったとしてもおかしくなかったんでしょうね。火を通してないハムの味がした本でした。2016/12/17
