ビリー・ミリガンと23の棺〈下〉

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ビリー・ミリガンと23の棺〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152078643
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ダニエル・キイスは小説家だが、この二作はノンフィクションである。ビリー・ミリガンの多重人格による無罪判決は社会的大問題になり、精神鑑定をした医師(合計一二人の精神科医と心理学者)と無罪判決をした判事(合計六人)には、囂々たる非難があびせられた.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』145頁、より)

目次

第2部 謎(デイトン司法センター;花嫁の登場;「あんちくしょうを殺せ!」;独立記念日;逃亡;死の断食;コンピュータ・ハッカー;ビリーはここにいた!;部屋はからっぽ;カナダの遺体;決定的証拠)
エピローグ 悪魔は手を伸ばした…

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

47
義父からの凄絶な虐待で解離性同一性障害(多重人格性障害)となったビリーは、劣悪な環境の最重警備施設ライマ病院から脱出を果たす。その後移転した病院でも適切な治療はなされず、ビリーの精神は安定しない。しかし良き理解者達に恵まれ、降りかかる種々の試練を克服、最後には精神の安定が認められ社会復帰する。ビリー寄り記述が目立つも、エピローグでのビリーの反省の言葉が読み手の心に響く。親の幼児虐待が社会問題化している昨今、報復に報復を重ねる負の連鎖を断ち切るために、少しでも彼の言葉が届いてくれればと思った。2015/10/05

吉野ヶ里

9
なんか、色んなことしてますね。なにも悪いことはしてないぞーって言うけど、結構やってる。ドアとかばんばん盗むし。面白かった。でも、文量に見合うほどじゃなかった。病院から脱走する下りとか、見てるとやっぱりノンフィクションか。ノンフィクションね。うん、ノンフィクション。みたいな気持になる。結局、多重人格じゃなかったとかがオチだったら最高に面白かったのにな。いや、そうなのかもしれんけれど。2015/11/16

あおさわ

9
犯罪者ビリーの永久的な捕縛を望む市民や検事、検察から 身を守るための逃亡まではかり、さらに追い詰められ分裂の度合いを深めていく。餓死を選び、自分に起こることを自分で決められると喜ぶシーンが切なすぎる。それでも彼は生きて、戦い、解放に至ります。 自らの傷と向き合い、ビリーがやっと自分の人生を生きることができるようになるまで。ビリーの中の一人一人の人格が文字通り「一枚岩」でないのが何とも言えずリアル。ビリー・ミリガンご本人は去年12月、癌で亡くなられていました。享年59歳。幸せであったらよかったと思います。2015/06/03

ぽんぽこ

2
感想を見るまで、この作品がノンフィクションであることを知りませんでした。創作の中でも壮絶な物語なのに、これが現実とは、やり切れないような、悲しいような…。それでもビリーが最後に下した決断が印象的でした。どんな状況でも、誰かが手を差し伸べてくれるーーそれが、混沌の現代における一つの希望なのでしょう。2020/01/11

mimi

2
私がビリーの物語、多重人格に興味を持ったのは本人を守る人格たちの健気さだ。「治療」というのは今まで彼を支えてきた人格たちとの別れを意味するのか。子供のころに虐待を受けた人が自分を守るために産みだした人格たちが悲しくて愛おしい。ただ守るために、生かすために存在したのだ。動画で晩年のビリーのインタビューを見た。「まだ彼らは私の中にいる。何かのきっかけで出てくるかもしれない」というようなことを語っていた。本当のビリーとは誰なのだろう。「教師」?あまりにも人間の心理が複雑すぎて私自身自分に疑問を持ちそうになる。2019/05/07

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