内容説明
『金星人地球を征服』等のSF物、ポー原作の怪奇物、お色気物にアクション物―製作費数万ドル、撮影期間1週間といった条件で、売れる映画をつくり続けたロジャー・コーマン。彼のもとには、若く未経験だが才能ある人々が集まった。フランシス・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ジャック・ニコルスン、ピーター・フォンダ、ジェイムズ・キャメロン…。これらコーマン・スクールの卒業生たちの証言をまじえ、伝説の監督、プロデューサー自身が語る、痛快な映画人生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
権現
5
数々の映画賞も受賞していながら日本ではほぼ無名に近しい、ハリウッドの一時代を築き上げた「B級映画の帝王」による自伝。他人のセットを拝借して映画を一本撮ってしまうという、とんでもない倹約家かつ早撮りで有名なロジャーだが、若かりし日のジャック・ニコルソン、フランシス・コッポラ、ジェイムズ・キャメロンを育てた経歴を持ち、数多の独創的な監督がその下で働くことを望んだ偉大な映画人でもある。そんなマニアックな大人物の自伝が面白くならないわけがなく、映画が全て手作りされていた頃のエピソードは刺激的の一言。良書。2016/11/02
ヒカル
3
他の映画のセットを勝手にコッソリ使って自分の映画を撮っちゃうといった倹約エピソードが面白過ぎた。観たいと思う映画が沢山出てきたけど、三時間ある『日本沈没』を編集して七十分のアメリカ映画にしたという『大津波』は特に観たい。2013/04/21
澤水月
3
さりげなくジェーン・アッシャー(「早春」のおねえさん)にポール・マッカートニーと二股されてたエピソード出てくるのにひっくり返る。あとスタントパイロットにかもめのジョナサンの作者が混じってた話とか。勢いに溢れた自伝で面白い、一緒に仕事したら大変だろうけど 2011/10/28
くっくる
3
B級映画(言い換えるならば低予算娯楽映画)の帝王と名高いロジャー・コーマン監督の自伝。彼がいかに経費をケチり、いかに効率よく、手早く映画を撮っていたのかよく判る自伝だ。休暇ついでに映画を撮っちゃったり、前作のセットを流用してそのまま2本映画を作っちゃったり、大学出の若手(後に多くが大物となる)を多用することで人件費をケチったり。「不法侵入者(人種差別問題)」や「コック・ファイター(闘鶏映画、日本なら闘犬だろうか)」のような完成度の高い映画に限って興行が不振だったという事実に映画界の理不尽さを感じた。2011/05/27
し
2
いつぞやのコーマン帝国鑑賞まさかの号泣withジャックニコルソン@新宿武蔵野館、、、現場で女優をひっかけ、現場で無茶振りとただのクソ野郎と思いきや、関係者から出てくる言葉はコーマン賛歌ばかり。コーマンの人間力恐るべし。大学でベルイマンの野いちごよりワイルドエンジェルで映画を学んだというスコセッシ、そしてベルイマン自身はニューワールドのおかげで自身の作品を見たことがなかった人が見てくれた、と感謝するコーマンに敵はいたのだろうか!?2016/05/12