内容説明
75歳の元ショウ・ガール、ノーラとドーラの双子の姉妹。ちょっぴり下品で元気な二人の奇想天外な半生を饒舌な語り口でつづる痛快小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
92
双生児の娼婦ノーラとドーラを中心に合わせて5組の双生児たちが縦横に活躍するけたたましくもにぎやかな群像劇。テーマは男性の勝手な性的行為の犠牲となって曖昧な家族関係を強いられてきた女性たちの怒りと告発、というとかっこよすぎるかもしれない。とにかく女性作家には珍しく猥雑ではあるがウィットに富んだ語り口が面白くも楽しい。シェイクスピアをはじめとする英国文学のエキスが語られてこの作家がしっかりした教養の上にこの作品を作り上げていることがよくわかる。G1000。2023/09/30
秋良
11
【G1000】20世紀のショウガールを主人公にシェイクスピアをやったらどうなる?という感じのイギリスらしい皮肉やユーモアに溢れた長編小説。労働者階級の当時の生活や風俗がふんだんに出てきて、これも一つの稗史ではある。ただマジックリアリズムとしては大家マルケスには全く及ばない。2022/04/03
Нелли(ネリ)
1
段組み。双子だらけのエネルギッシュな一族の人間関係が複雑に絡み合う酒池肉林の宴のような小説……と思っていたら最後に本当に宴が始まって急転直下の大団円(?)。大いに笑った。2017/06/07
龍國竣/リュウゴク
0
シェイクスピアにコンドーム。「シェイクスピアをやりなおす」。それは女性を過剰なまで前面に押し出したカーニバルをやることに他ならない。驚くほど饒舌な女性の語り手によって珍奇な出来事が捲し立てられていく。狂騒曲という言葉がしっくりくる。2014/10/07
egira_mu
0
明るくって皮肉の効いてる一筋縄じゃいかない楽しい複雑な家族の話です。ゴシップの嵐だけど、下品じゃないところが良い。まあ胸糞悪いこともあるけど「ジョートーじゃねえか!」の精神が肝要だよな。っていう浅い読み方しか自分には出来ないけんども、それでも楽しけりゃイイよな。っていうことで凄く好きな本です。2019/03/15