ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 暗い森

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ハヤカワ・ミステリ文庫
暗い森

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  • サイズ 文庫判/ページ数 360p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784151751059
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ワシントン州の国立公園の大森林で人骨の一部が発見された。遭難したハイカーの遺骸なのか?だが、ギデオン・オリヴァー教授の鑑定の結果、骨は六年前に殺された男性のものと判明する。そのうえ、殺人の兇器は一万年前に絶滅したはずの種族が使っていた槍だった!森の奥深くに住むという伝説の猿人が本当にあたりを徘徊しているのか…一片の骨から縦横無尽の推理を繰り出すスケルトン探偵が真骨頂を示す初期代表作。

著者等紹介

エルキンズ,アーロン[エルキンズ,アーロン][Elkins,Aaron]
1935年ニューヨーク生まれ。ハンター・カレッジで人類学の学士号を、アリゾナ大学で同修士号を取得。現代アメリカを代表する本格ミステリ作家。骨を手がかりに謎を解くスケルトン探偵ギデオン・オリヴァー教授が活躍するシリーズの第4作『古い骨』(1987)でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞した

青木久惠[アオキヒサエ]
1966年早稲田大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

68
スケルトン探偵シリーズ第2弾。デビュー作が翻訳されていない為、本作が実質上の1作品目となる。国立公園の雨林で、白骨が発見される。ギデオン・オリヴァー教授が鑑定すると、6年前に行方不明になっていた男性と判明する。死因は槍による刺殺と解るが、その槍は絶滅した原住民たちが、用いた武器であった。本作は後にオリヴァーの妻となる、ジュリーとの出会いの物語でもある。よって以降の本格ミステリと違い、二人のロマンスが語られる特殊な作品である。本来は骨のわずかな特徴から、様々な情報を読む推理が癖になる、そんなシリーズである。2018/03/08

カナン

44
スケルトン探偵第二弾。翻訳ものあるあるで出版される順番が入れ替わっているが設定は「古い骨」より前。後のパートナーとなるジュリーとのロマンス描写が少々冗長に感じるもの、謎の人骨が次々と発見されるオリンピック国立公園の情景描写が素晴らしく、雨林の水のような空気も樹木の青々しい匂いも木々の隙間から漏れる僅かな光と影のコントラストも、まるでギデオンと共に彷徨っているかのように色鮮やか。シリーズ一作目として本作を選ぶことはおすすめしないが、インディアンの文化や真相がわかった後にタイトルの印象ががらりと変化する良作。2020/01/11

kagetrasama-aoi(葵・橘)

38
「スケルトン探偵シリーズ」第一作目の “Fellowship of Fear” が未だに翻訳されていないので、実質的な第一作目。骨の一片からでもその人物を推定出来る学識を持つギデオン・オリヴァー教授。今作は、北半球で唯一の密林(オリンピック公園)を舞台にネイティブアメリカンの謎を絡めたミステリー。公園保護官のジュリー・テンドラーとの出逢いが描かれている点も注目です。“雨林” の情景がまざまざと目前に見えるようです。2023/09/19

Brooklyn0320

7
「スケルトン探偵」ギデオン・オリヴァーもの第2弾。「古い骨」を読んだときにも思いましたが、この作家さん本当に情景描写が上手い。今回の舞台はオリンピック国立公園なのですが、本当に現地の温帯雨林を彷徨い歩いているような気分にさせられます。骨の分析により、被害者の性別、年齢、体型などの身体的特徴から病歴や死亡時の状況まで見事に当ててしまうお約束のシーンも読みごたえ十分。今回の事件は、随分とアカデミックなジャンルに首を突っ込んでいるのですが、ギデオンにヒントを与えてくれるお師匠さんがいい味出してます。良作。2013/06/05

ニミッツクラス

7
スケルトン探偵の一作目。主人公ギデオンとジュリーが初登場の本書、骨の蘊蓄は物語の骨子(洒落です)だから当然面白い。物語の流れに絡ませた二人のロマンス(バーで知り合って意気投合というような軽いノリではない)に意外と頁を割いてあるし、先住民族という題材は、シリーズ初回としては不向きかとも思う。日本で物語の順番通りに刊行しなかったのは正解だと思うが、やがてMWA最優秀長編賞を受賞する素地が本書でできたのは間違いない。何事にも始まりはあるし、それを今から通読できる私は幸せ者。★★★★☆☆2011/07/20

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