ハヤカワ・ミステリ文庫
災いの古書

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  • サイズ 文庫判/ページ数 558p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784151704093
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

古書店主クリフは、恋人エリンの頼みで蔵書家射殺事件の調査を開始した。被害者男性とエリンが交際していた過去があり、容疑者女性がエリンの元親友という事情から依頼を引き受けたのだ。まもなく被害者が貴重なサイン本をコレクションしていたという事実が判明する。本をめぐる争いに巻き込まれたのか?やがてその蔵書をめぐり怪しい三人組が暗躍しはじめ…古書にまつわる意外な蘊蓄を盛りこんだ人気シリーズ第四作。

著者等紹介

横山啓明[ヨコヤマヒロアキ]
1956年生、早稲田大学第一文学部演劇学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

79
大好きな古書にまつわるミステリ「クリフォード・ジェーンウェイ・シリーズ」第四弾。やっぱりええわ、このシリーズ。五五〇ページ近い長編も、物語に引き込まれて時間を忘れて没頭してしまいました。今巻も意外な結末に驚き、ミステリとしてレベルが高い。しかし、このシリーズの味わいは物語すべてに漂うビブリオマニアの雰囲気。私のような書痴にとって、こうした世界に彷徨えるひとときは堪らなく魅力的です。次作『愛書家の死』も既に購入済み。本棚で私の手に取られる時を今か今かと待ち受けている。他にも読みたい本がある故しばし待て。2014/05/04

紅はこべ

42
愛書家の警官から古書店主に転職したクリフ・ジェーンウェイもの4作目。今回のテーマは著者や有名人のサイン入り本。クリフは根っからの警官気質が抜けきれない。今回も本屋としての蘊蓄や知識よりもその行動力で活躍。事件の真相は真犯人の告白という形で明らかにされるので、そこはやや物足りないかな。それにしても、クリフが考える通り、店舗経営の古書店ってそんなに将来性がないのかな。私としては、新刊書店にせよ、古書店にせよ、書店の店舗がない社会の到来なんて、想像もしたくないけど。2010/11/20

藤月はな(灯れ松明の火)

36
クリフはエリンに自分の恋人を奪った過去のある女性が殺人の容疑を掛けられてしまい、彼女から弁護を頼まれたが代わりに弁護をしてくれないかと頼まれる。しかし、被害者が大量の署名本を所有していたことから動き出す謎の三人組。血の繋がらない孫を虐待するアル中の祖父や言い分を聞かない判事、悪徳保安官、狂的な「牧師」など胸糞の悪くなる人物のオンパレードですが犯人よりはましです。犯人が明らかになる場面は狂気と生理的に受け付けない自己愛の押し付けにぞっとしながらも憎らしくてたまりませんでした。ジェリーには幸せになって欲しい。2013/03/27

KAZOO

15
古本に関する薀蓄の部分というのが少なくなってきて最初のころが懐かしいような気がします。サービスに著者の本へのサインについての話が出てきます。どちらかというと謎解きミステリーという部分よりも探偵的な部分が増えています。2014/04/11

RIN

14
訳者が変わったせいか全体のトーンがやや観念的な表現になった気がする。が、これはこれで、というか、変わりなくページターナー。普通にサスペンスとして面白かった。クリフはシリーズ4作目にしてまたしても転機なのかなあ。警官から古書店主へ転身して幸せそうだったのに、アメリカも古書を含む本の市場が様変わりしているのだろうか。エリンとのコンビはイマイチかな。恋人というより女弁護士と専属やり手調査員みたいになってる。真野あずさと橋爪功?もう少し古書業界に絡んだ物語を読みたいが今後はどうだろう?2012/04/06

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