ハヤカワepi文庫<br> 忘れられた巨人

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ハヤカワepi文庫
忘れられた巨人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 496p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151200915
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

『わたしを離さないで』以来10年ぶりの長篇。霧に覆われた世界を老夫婦は旅する。息子との再会を信じて……

内容説明

遠い地で暮らす息子に会うため、長年暮らした村をあとにした老夫婦。一夜の宿を求めた村で少年を託されたふたりは、若い戦士を加えた四人で旅路を行く。竜退治を唱える老騎士、高徳の修道僧…様々な人に出会い、時には命の危機にさらされながらも、老夫婦は互いを気づかい進んでいく。アーサー王亡きあとのブリテン島を舞台に、記憶や愛、戦いと復讐のこだまを静謐に描く、ブッカー賞作家の傑作長篇。

著者等紹介

イシグロ,カズオ[イシグロ,カズオ] [Ishiguro,Kazuo]
1954年11月8日長崎生まれ。1960年、五歳のとき、海洋学者の父親の仕事の関係でイギリスに渡り、以降、日本とイギリスのふたつの文化を背景に育つ。その後英国籍を取得した。ケント大学で英文学を、イースト・アングリア大学大学院で創作を学ぶ。一時はミュージシャンを目指していたが、やがてソーシャルワーカーとして働きながら執筆活動を開始。1982年の長篇デビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年発表の『浮世の画家』でウィットブレッド賞を受賞した。1989年発表の第三長篇『日の名残り』では、イギリス文学の最高峰ブッカー賞に輝いている。2017年ノーベル文学賞受賞

土屋政雄[ツチヤマサオ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

224
最近、色々な事をよく忘れてしまう。妻から聞かされたちょっと前の出来事も、さっぱり記憶になかったりする。まるでこの物語の竜の息にかかってしまった人の様。なので作中の人物の不安なモヤモヤ感は良くわかる。竜を退治すべく立ち上がる人々の物語は、そのクライマックスまではとても楽しかったのに、以降、ラストまでが長い。とても長い。そして、コミュ障の俺には妻と孤島で2人暮らしなんてとても無理だと思ってしまった。2022/06/15

パトラッシュ

186
過去の記憶のせいで今日も各地でテロや虐殺や戦争が起きている。記憶がなければ北アイルランドやボスニア、パレスチナなどの惨事はなかったのでは。これがイシグロが本書を構想したきっかけではないか。過去を強制的に忘れさせられた偽りのおかげで民族や宗教絡みの憎悪が消え平和が保たれた社会と、すべての過去を自由に記憶することで果てしなく殺し合いの悲劇が続く世界のどちらが正しいか。『1984年』などディストピア小説によくある「記憶の抹消への反抗」が本当に正しいのか。そうした解答不能の命題を突きつけてくる恐るべき小説なのだ。

あきぽん

137
「記憶」という共通テーマのもとでバラエティに富んだ作品を発表しているカズロ・イシグロ氏の最新作は、なんと中世初期のイギリスを舞台にしたファンタジー。竜退治などファンタジーの王道ストーリーを踏みながら、現代の国際紛争などに投影できるように新しくツイスト。「ロードオブザリング」(指輪物語)も似た雰囲気で、主人公とお姫様は若者でなく老夫婦というのがミソ。忘れることも平和に健康に暮らしていくためには大切だ。記憶力が良すぎる人は生きづらいだろう。2017/12/28

tokko

135
アーサー王伝説を下敷きにしているけれど知らなくても読めます。物語中にはガウェイン(のなれの果て)が登場したりイギリス人が読むとまた違った印象を受けるのでしょうが、「戦士」やら「騎士」やらは某ゲーム程度の知識しかないのでイメージは(物語中の)霧中のごとく曖昧模糊としていました。そんなマイナス要素を差し引いてもこの小説のテーマはかなり重く響きます。平和のためには「忘れ」なければならなかった過去、「忘れた」ほうがうまくいくけれど「忘れ」てはならない過去、そんな過去は僕たちにもあります。雌竜は今も生きています。2017/10/23

びす男

112
カズオ・イシグロの作品には、上っ面な感想に逃げられない厳しさがある。その意味を捉えないと、物語が読めない■竜の吐く煙で、人々が古い記憶を失った世界。ファンタジー風だが、そこで露わになる問いは深刻だ。竜を倒すことは難しくない。しかし、一度忘れられた争いの歴史を、再び掘り返すべきか……そこまでして過去を知りたいか?■悪い記憶も取り戻す、と老夫婦は言う。「人生を分かち合うとは、そういうことではないでしょうか」。過去を知り、乗り越え、信じる、あるいは戦うこと。人類が背負い続ける課題が、見事に浮き彫りになっていた。2018/07/03

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