ハヤカワepi文庫<br> ふたりの証拠

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ハヤカワepi文庫
ふたりの証拠

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151200120
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

戦争は終わった。過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、別れた兄弟のために手記を書き続ける。厳しい新体制が支配する国で、彼がなにを求め、どう生きたかを伝えるために―強烈な印象を残した『悪童日記』の待望の続篇。主人公と彼を取り巻く多彩な人物の物語を通して、愛と絶望の深さをどこまでも透明に描いて全世界の共感を呼んだ話題作。

著者等紹介

クリストフ,アゴタ[クリストフ,アゴタ][Kristof,Agota]
1935年ハンガリー生まれ。1956年のハンガリー動乱の折りに西側に亡命して以来、スイスのヌーシャテル市に在住している。1986年にパリのスイユ社から世に送り出したフランス語の処女小説の『悪童日記』によって一躍脚光を浴びた

堀茂樹[ホリシゲキ]
1952年生、フランス文学者、翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

394
タイトルの意味については、さまざまな解釈が可能だと思われる。つまり、前の巻の『大きなノート』のように、それが物語の内容とそのまま一致することがないからだ。また、続編にあたる本書では、一転して3人称体で書かれているために、スタイルの上からは普通の小説であり、その意味では斬新さにはやや乏しい。主人公LUCASと、西側世界に行ったはずのCLAUSはもともとが双子なので、その名がアナグラムなのも不自然ではないのだが、本編ではそれも疑わしくなり、読者もまた一種のアイデンティティ・クライシスに巻き込まれることになる。2012/11/22

青乃108号

259
【悪童日記】の続編だけれど、スタイルは前作とは全く異なり、滔々と語られ、どんどんと人が行き去り、また人がどんどんと老いそして落ちぶれ死んでいく様が【平坦に】描かれていく。双子のうち町に残った片割れ(リュカ)はどんどん成長して大人になり、本当にいろいろな事があって終いには行方知れずとなる。そのタイミングでもう一人の片割れ(クラウス)の出現。そして再び衝撃のラスト。何だこれは。またまた3作目を読まずにはいられなくなった。2022/04/08

遥かなる想い

212
「悪童日記」から始まる三部作の二作目である。15歳になった リュカの物語… 何かを喪失した人々との 兼ね合いを ひどく渇いた文体で 描く。 心が壊れたようなリュカの成長とは 裏腹に、リュカの周りは 重苦しい。 クラウスの帰国とともに、ふたりは どうなって行くのか?三作目に期待。2019/05/12

tama

193
図書館本 「悪童日記」から引き続き。うわー あいつ一体どうなってしまったんだ。悪童日記のラストもショッキングだったけど今回もまたとんでもないことに。すでに第三の嘘を予約済。それを読めば理解できるんだろうか!?2014/11/12

はっせー

154
『悪童日記』の続き。『悪童日記』につづいての面白さである!内容としては『悪童日記』の続きの世界である。ようやく双子の子供の名前がわかる。リュカとクラウス。この双子が書いたという設定はここから少しずつ薄れてきている。だが面白さは現在である。15歳になり子供から大人に成長していく。その中で色んな人間関係が出来ていく。辛い別れや厳しい現実もある。暗い現実の中に強くそしてもろく危うい存在であった。できるだけネタバレなしで書いているがどう伝えたらいいか悩む。言いたいけど言ったらだめだというジレンマに襲われている!2022/04/11

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