内容説明
7年ぶりに再会したシーラは、オレンジ色の髪をした14歳のパンク少女だった。驚いたことに、かつての楽しかった日々も二人の間の信頼関係もまったく憶えていないという。彼女が少しでも打ち解けてくれるよう、トリイは自分がセラピストを務めるクリニックで夏休みの間、手伝いをしてくれないかと誘う。やがてシーラの口から、幼い頃から受けていた性的虐待の事実が明るみに…。真の癒しを見出すまでのシーラとトリイの葛藤を描く。
著者等紹介
ヘイデン,トリイ[ヘイデン,トリイ][Hayden,Torey]
1951年5月21日、米国モンタナ州生まれ。情緒障害児教室や福祉施設などでの体験をもとに『シーラという子』をはじめ数々のノンフィクションを著し、世界中に大きな感動を巻き起こしている。同書は世界29ヵ国語に翻訳され、各国でベストセラーを記録した。その他にも、心の闇を見つめる確かな目と豊かな想像力で描いた小説、精神科医の斎藤学氏との対談を収録した『子どもたちは、いま』がある。現在はスコットランドで執筆活動のかたわら農業を営み、児童心理学の研究も続けているほか、児童虐待や自殺の防止ホットラインの活動にも力を尽くしている。1998年以来、度々日本を訪れている
入江真佐子[イリエマサコ]
国際基督教大学教養学部卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ach¡
37
最悪…って、読みながら何回ひとりごちたことか!サイアク!何もかも最悪。トリイあんたも最悪。て、そりゃそうだよね。これノンフィクションだもの。人間だもの。冒頭で「私はシーラと言う子の続編を書くことをためらっていた」と本人が言ってるもの。実際の人生はフィクションや、上手く編集されたノンフィクションのように読者を満足させることは滅多にない。って、くぅー(ノД`)これがどんだけイヤらしい布石だったか最後にわかんねん。せやろ?読んだ奴ならわかんねん。読んだ奴なら激しく頷くねん。せやろ?読んで良かったやろ。最高かよ!2018/07/05
Rin
28
【再読】これにて家にあるトリイヘイデン文庫は再読完了!シーラと再会するトリイ。自分の記憶の中のシーラと現実のシーラはずいぶんと違っていて、戸惑うけれど決してシーラを否定せずに分かろうと分かりたいとするトリイはやっぱり凄い。トリイだって完璧じゃないし、感情的になることもあるけれど、一人の子供のためにプライベートまで使って大好きだよ、と伝える姿に愛情を感じる。良かれと思って行動してもシーラはトリイに捨てられたと思い込んでいた。それでも、きちんと逃げずにお互いにぶつかって伝え合って、前に進めてよかった。2015/08/19
ヒラP@ehon.gohon
9
シーラと別れてから7年後の再会。心の傷は決して癒されていなかった。それどころか記憶のすり替え、したくすればするほど深まる溝。現実だからかけるのでしょうが、救いどころのない荒涼感を覚えました。2015/07/23
マリリン
9
性的虐待を受けた子どもの二次的障害の記録。劣悪な環境が子どもに与える影響の怖さを感じた。たった500ページちょっとの本なのに読み終えるまでにかなり時間がかかった。たぶん私はトリイもシーラも嫌いなのだと思う。仕事の範疇を超えて関わろうとするトリイのやり方が納得出来ないのだと思う。掴みどころのないシーラの行動も不気味。読むだけで疲れた。2014/09/28
かりんとー
6
いつまでも読んでいたい本。自然と涙があふれてきます。 1ページ1ページがシーラの大切な人生です。2016/03/09