内容説明
離婚調停が泥沼化し、わたしは意気消沈していた。ベルリンで開かれる名画展の仕事に飛びついたのもそのせいだ。が、わたしはたかが一介の美術館学芸員、そこで思わぬ冒険が待っているとは夢にも思っていなかった。名画展の主任が「この中に贋作がある」と言い残し、謎の死を遂げるまでは…。軽妙な語り口と本格派の香りが魅力の、エルキンズの新シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi（葵・橘）
10
アーロン・エルキンズのもう一つのシリーズ、第一作目。裏表紙の煽りに”軽妙な語り口と本格派の香りが魅力”とありますが、将にその通り！そして、解説にエルキンズは「読み終わったとき、知らぬ間にある特定の分野について物知りになっているようなミステリを書くことだ」と言っているとあります。まさに(*´∀｀*)、読み終わって絵画に詳しくなった気がしてます！クリスの自己ツッコミとかセリフが楽しいです。ミステリとしても錬られていて最後まで楽しめます。そしてクリスが離婚調停中なんですが、そちらも最後までやきもきさせられます。2018/11/10
みさ
2
美術ミステリ。「贋作がある」と言い残して死んだ先輩の謎を追いかけるが、殺人犯探しよりも贋作探しに比重が充てられている。被害者が見つけたがために殺された贋作はどの絵なのか？フェルメールやミケランジェロやティツィアーノ等有名作家の名前とうんちくがゴリゴリ出てくる。 美術知識が散りばめられた物語だが、主人公の語り口は至って軽妙で作中の雰囲気は爽やかに明るい。気分転換に読むのにちょうど良い。2021/11/23
ルウ
2
★2 エルキンズの本を読むと、ちょっと賢くなる。ここでは絵画だけど、その突出した１つの分野をミステリにすんなりハメ込むのが上手い。だけど、スケルトン探偵の方が周囲の人物含めキャラが立ってる。2015/01/27
KJ
2
何回読んだかわからないぐらい再読。やはりおもしろいですね。気軽に読むには最高。2010/11/11
べんちゃん
2
学芸員の仕事はもともと探偵みたいだけど、そこにサスペンスの要素を加えた味付けが面白い。この人の作品は、どれも映画てきてビジュアルなイメージが浮かびやすいので楽しく読めます。
