内容説明
しまった、ついに正体を見抜かれた―。古本屋の主人におさまった私のもとにやってきた古書蒐集家は、私が泥棒だということを知っている様子だった。なにしろ世界に1冊しかないキプリングの詩集をなにがなんでも手に入れろというのだから。高額の報酬に釣られて安請け合いはしたものの、盗んだばかりの本を何者かに奪われ、おまけに殺人事件にまで巻き込まれるはめに。ネロ・ウルフ賞受賞の泥棒バーニイ・シリーズ第3作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Panzer Leader
62
「第161回海外作品読書会」泥棒探偵ってのもおかしな職業だがそれに加えて今度は古本屋の店主となったバーニイ。今作でも殺人事件に巻き込まれ相変わらずの運の無さなんだけど、肩に力を入れず飄々とした行動と推理で事件を解決に導く。事件の真相は結構複雑なんだけど軽く読めるのは彼とキャロリンの軽妙な会話のお陰か。まだまだ先を追いかけたいシリーズ。2020/07/25
ずっきん
53
泥棒バーニイシリーズ3。なんと古書店の店主になっている。稀少本を巡っての殺人事件にあんじょう巻き込まれるバーニイ。さて、今回も軽妙なタッチで濡れ衣を晴らすバーニイの奮闘が描かれるけど、意外と本格っぽかった。でも、めっちゃ軽いです(笑)キャロラインとの会話がとても楽しい。これは後のケラーシリーズに継承され、極まったんだなあ。2018/06/24
Tetchy
37
古書店主となった泥棒バーニーの日常には本が溢れており、自然物語は本についての薀蓄なりが付いてきて、これが読者、特にミステリ読者には思わずニヤニヤしてしまう話ばかりと来ている。しかしユーモアたっぷりに書かれるバーニーの巻き込まれた事件の構造のなんとも複雑なこと。正直きちんと真相が理解できたかあまり自信がない。でも本格ミステリとしての伏線の妙が実に魅力的だ。さりげない描写が伏線となっており、事件解決の手がかりも実に自然に物語に溶け合って、思わずアッと驚かされてしまった。本格物を書いてもブロックは上手いなぁ!2014/03/25
yumiha
29
泥棒が古本屋店主という設定がおもしろい。稀覯本をめぐっての事件は、『ビブリア古書堂の事件手帖』を思い出した。解説の「本探しの極意は熱意ではない。殺意だ」の一文で、ビブリアで感じた疑問を納得させられた。2018/09/02
M H
24
泥棒バーニイシリーズ。しょっぱなから古本屋になっててびっくり。冒頭の万引き撃退がこなれてる!本職だもんね(笑)。その後は殺人事件に巻き込まれたバーニイとキャロラインとの軽妙な会話でどんどん進み、すっとぼけ度をグンと上げるレイも出てくる。個性的な登場人物の中でも群を抜くこんな奴いねーよ感(笑)。真相はよく理解できなかったけど楽しかった♫2020/05/08
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- 和書
- がんばれ、おじいちゃん