内容説明
どんな事件が起きても不思議はない険悪な空気が町に充満していた。新任の新聞記者クィラランは畑違いの美術担当にまわされ、新進画家や批評家を取材してまわった。ところが、そこに渦巻いているのは、嫉妬、中傷、よからぬ噂話ばかり…。女流画家を妻に持つ町の画商がオフィスで刺殺され、画廊の絵が刃物で切られたのは、そんなときだった。家庭内のいざこざとも思えたが、次の殺人が起こるに及んで…。新聞記者クィラランが頭を抱えた難事件を解決に導く、不思議なシャム猫ココの推理とは?世の猫好き垂涎のシャム猫ココ・シリーズの処女作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆりあす62
51
★★★☆☆主人公の新聞記者クィラランと頭脳明晰シャム猫・ココちゃんとの出会いの事件。山城隆一氏の表紙がラブリー。2016/06/17
mii22.
45
新聞記者クィラランとシャム猫ココシリーズの1作目。新任の美術担当記者が遭遇した殺人事件。クィラランは画家や批評家を取材するなかで、渦巻くよからぬ企みの数々を目にする。ことごとく推理を外してしまうちょっと孤独な普通のおじさまと賢いシャム猫のコンビは、先の読めるお約束の展開ながら猫好き読者(私)にはたまらない優美なココの描写が楽しめる癒し本には間違いない。2016/06/25
goro@80.7
42
【猫と読書】イベントへ参加するため読んだけど、舞台となってる60年代アメリカの田舎町の雰囲気がいいね。シャム猫ココとの出会いから虜となってゆく様は誰しも身に覚えがあるのではないでしょうか。飼ってるつもりが猫の従僕となっている皆様に贈るミステリーですね。気長にシリーズ追って読みたいです。2016/02/23
くみ
24
【猫本を読もう読書会】巻末の宣伝で見かけて気になってた一冊。時代は1960年代で、雰囲気はのんびりしてます。半分こないと事件は起こらない。その分、場の雰囲気とか主人公の人となりがきちんと描かれていて、丁寧。なぜ猫が第2の主人公なのかもよく分かります。トリックはそこまで複雑ではないけど、「そう絡んでくるんだ」と感心しました。作者のセンスのよさが滲んでくるよう。2019/02/27
花林糖
13
シリーズ1作目。ミステリは横に置いて、この巻は「クィラランとココとの出会い」のお話として楽しみました。シャム猫ココ魅力的。ゆっくり全巻読破しよう。2016/01/31