ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 黒い塔

ハヤカワ・ミステリ文庫
黒い塔

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  • サイズ 文庫判/ページ数 502p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150766078
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ドーセットにある障害者用の療養所で教師をしていたバドリイ神父が急死した。長年の知人であるダルグリッシュ警視が、折り入って相談があるという手紙を受け取った直後のことだった。はたして神父の相談ごととは何だったのか。休暇を利用して調べをはじめたダルグリッシュは、療養所内で患者の事故死や自殺が相次いでいることを知るが…現代ミステリ界の頂点に立つ著者の英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

96
ダルグリッシュ警視シリーズ第5弾〔再読〕。今回の舞台は障害者療養所、前作の病院から本シリーズは、作品毎に特定の施設内描写の形を特徴とする。旧友である神父からの手紙で、ダルグリッシュは休暇を利用し療養所を訪ねる。だが神父は急死しており、更には施設内で自殺か病死か事故死か、判断のつかない不審死が連続する。警視は幾つかの奇妙な出来事から、巧妙に仕組まれた殺人の可能性を疑う。本作も執拗な位に配置された伏線が、終盤一点に集まり真相を得るスタイルは鮮やかだ。風景や心理描写の細やかな事には、今回は特に重厚感を感じる。2020/01/13

bapaksejahtera

18
白血病と誤診されたとは言え長期間入院したダルグリッシュは、病院に届いた旧知の神父の求めに応じイングランド南辺後の地を訪れる。そこは難病や身体障害者が療養する海岸の施設。到着するや神父は亡くなって既に埋葬されている事を知る。そこではその後も不自然な死亡者が続いていた。病気で退職を心に留めていた主人公は、一時病後の体を休めるが、周囲の特異な人たちに起こる不可思議な事態は次第に彼の職業意識を刺激する。毎回の丁寧な描写乍ら中々世界が掴めない。最終盤漸く事態が判明し格闘描写も盛られるが未熟な読者はついて行けなかった2023/01/16

KUMAPON

9
病み上がりで気持ちも身体も弱りきったダルグリッシュ警視が「もう警察なんて辞めてやる~」と言いながらもついつい謎解きを始めてしまう話。中途半端に迷いながら足を突っ込んでいるせいで、結果として結構なピンチに陥ってしまう。舞台が崖っぷちに建つ塔ということもあり、ラストはよくある2時間ドラマ的展開で「あー、はいはい」と思ってしまったが、発売当時の読者にとっては手に汗握る展開だったのかな…。このところ元気のないダルグリッシュ警視、次作ではそろそろパリッと活躍して欲しいものだ。2022/06/19

Yuji

7
いやあ、読むのに時間かかりました。でも傑作ですよ。 突き刺ささる心理描写、見事な情景描写、文学という言葉は使いたくないですが、そうしか言えない。どっぷり世界にはまり込みました。久々のオールタイムベスト級! まだこの作者には、有名な「女には向かない職業」もあるし。でもこれはまだ、置いておこう。2014/02/22

ネムル

6
久々にPDJのどっしりミステリを読む。詩人のアダム(!)・ダルグリッシュ警視なんて先入観に反して、生への(あるいは繋がりへの)嫌悪というか侮蔑というか、そうした眉をひそめるようなところがさらりと書かれてるのが、作品に変な陰影を与えている。もう死んでるから人工呼吸をしないですんだ!人工呼吸したら酒臭が、、、といった下りを、さらりと書くあたりが、すごいというかなんというか2024/01/21

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