ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 拡がる環

ハヤカワ・ミステリ文庫
拡がる環

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  • サイズ 文庫判/ページ数 255p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150756604
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

上院に打ってでようというアリグザンダー下院議員の警護を引き受けたスペンサーは、彼から驚くべき事実を打ち明けられた。何者かが妻のあられもない姿が映っているビデオを送りつけてきたというのだ。政敵の無言の脅迫か?打ちひしがれる議員を救うべくスペンサーは調査を開始した。スーザン不在のなか、ホークの友情、たくましく成長したポールに支えられ、スペンサーが政界を覆う黒い霧に挑む、好調シリーズ第10弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

275
★★☆☆☆ スペンサーシリーズ第10作目。 スペンサーが政治家のボディーガードになり、依頼人の妻のスキャンダルを表面化させないよう奮闘する。 久々にジョウ・ブロスやポールも登場する。ジョウは一度スペンサーにやられてるのに懲りない奴だ。 事件は小粒で、スペンサーもあっさり全貌を掴むし、全体的に盛り上がりには欠ける。しかし、本作のテーマはずばり「愛」である。スーザンに対する愛、愚かな妻に対するアリグザンダー議員の愛、息子に対するジョウの愛など、何より大切なものは愛だった。2022/10/13

背番号10@せばてん。

32
1991年2月4日読了。スペンサーシリーズ第10弾。ロバート・B・パーカー、2010年永眠。自分に多大なる影響を与えてくれた、巨星に心より合掌。(2022年5月1日入力)1991/02/04

田中

24
アリグザンダー議員は、「妻」の破廉恥行為を自分の胸にしまいこみ、彼女に気がつかれないように自己犠牲のもと処理をはかろうとする。ギャングの親玉は、「息子」の愚行を知り、怒りながらもスペンサーとの取引を不本意に応じる。愛する者を守るための代償。スペンサーは、いつも一緒にいてくれるスーザンの不在が寂しく辛いのだ。彼女は、希望する職種に就くため多忙だ。変な齟齬感が芽生えたのは、スペンサーの注ぐ愛情が、生真面目で一途だから。それは、強すぎる庇護欲からきているところもある。対等な信認が愛の深さのような気もするが、、 2022/09/23

Y2K☮

10
2014年の締めくくりは今年から読み始めたスペンサーシリーズ。体力や腕力のタフさでは負けてないが、マーロウと違ってスペンサーは孤独に弱い。以前は強かったようだが、ポールやスーザンというかけがえのない存在を知って変わったのだ(人としてはその方が健全だが)。彼が主義主張の合わないミードに肩入れするのも周囲や世間が何と云おうと妻への愛を貫く点への共感故だろう。まあでも代議士の奥方があれではダメ。自立を求めて恋人から離れたスーザンの強さと対比させれば明らか。パーカー文学ではこの種の対比が印象深い。得意技なのかな。2014/12/31

がぁ

5
以前にも幾度か読んでいるが、この作品に対する感情がそのつど変わっていくのがわかる。要は愛の物語なのだ。このころのパーカーは乗っている。世界が小さくとも大きくとも、守ると決めたことは守る、それがスペンサーシリーズの魅力なのだろう。2015/08/26

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