内容説明
スペンサーを西海岸に行かせたのは、レイチェル・ウォレスからの電話だった。友人のテレビ局のニュース記者キャンディ・スロゥンが、護衛を必要としているというのだ。依頼を受けたスペンサーがロス・アンジェルスに着いた晩、キャンディは何者かに襲われた。彼女が追っている映画撮影所の賄賂がらみの不正事件の公表を恐れた人間の仕業らしい。だがキャンディは脅迫に屈せず、女であることの武器を最大限に利用して、調査を続けていく…ロス・アンジェルスを舞台に“女性誇示”の依頼人とそれを助けるスペンサーの捨て身の捜査を描く会心作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
48
久しぶりの再読。今作は舞台がLAでホークが登場しないのが残念。シリーズの中で私の位置づけとしては、可もなく不可もなくといったところ。最後のスペンサーの大暴れは、スカッとしました。2023/02/25
背番号10@せばてん。
27
1989年5月4日読了。スペンサーシリーズ第8弾。ロバート・B・パーカー、2010年永眠。自分に多大なる影響を与えてくれた、巨星に心より合掌。(2024年2月28日入力)1989/05/04
田中
22
女性記者の地位が低いテレビ業界の中でもがく「キャンディ」。彼女のむこうみずさにスペンサーの反骨精神が共鳴したのかもしれない。ロスにスペンサーがおもむき「キャンディ」のボディーガードをする。彼女は映画会社の不正を掴んだ。それに絡んで身の危険を感じている。この特ダネ記事をものにし、自分のキャリアアップになんとしても繋げたいのだ。スペンサーの警告にも関わらず、彼女は危険人物に接近してしまう。「キャンディ」の名誉回復を図るスペンサーのすざましい怒りに目を見張った。彼が帰路につく際のもの悲しさが切なくなる。 2021/06/20
ヤーマ
12
僕の知る限りスペンサーが浮気するのはこの作品だけ。そしてその浮気はまるで代償のように悲しい結末に至る。スペンサーシリーズは沢山あるが、この作品が一番胸に突き刺さっている。2020/07/17
goldius
7
『おれは、認める、認めないということは、自分自身の行動についてのみ行うよう、精一杯の努力をしてるんだ』他人の価値観を認め、自分の間違った行動に気をつけようというスペンサーの生きる姿勢が素晴しい。理想の為に努力しても残酷な結末になることもあるという世界観も素晴しい!単純に思えて深いバランス感覚が素晴しいプロの作家だな、パーカーは。2009/03/23