ハヤカワ・ミステリ文庫
見えないグリーン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 382p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784150753023
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ミステリ好きの集まり“素人探偵会”が35年ぶりに再会を期した途端、メンバーのひとりである老人が不審な死を遂げた。現場はトイレという密室―名探偵サッカレイ・フィンの推理を嘲笑うかのように、姿なき殺人鬼がメンバーたちを次々と襲う。あらゆるジャンルとタブーを超越したSF・ミステリ界随一の奇才が密室不可能犯罪に真っ向勝負!本格ファンをうならせる奇想天外なトリックとは。

著者等紹介

スラデック,ジョン[スラデック,ジョン][Sladek,John]
1937年アイオワ州ウェバリー生まれ。ミネソタ大学卒。68年に作家デビュー。本来はSF作家だったが、72年に短篇「見えざる手によって」がミステリ・コンテストで優勝したのを機に、奇抜なトリックを名探偵サッカレイ・フィンが喝破する2作の長篇『黒い霊気』(74年)と本書『見えないグリーン』(77年)を執筆した。2000年没

真野明裕[マノアキヒロ]
1942年生、1967年慶應義塾大学大学院英文科修士課程修了、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

302
★★★★☆ 誰が、なぜ、どうやって一連の殺人を行ったのかという本格ミステリの要素を詰め込んだ良作。 密室殺人、多重解決、アリバイトリックといったお約束的なガジェットも用意されており、実にミステリ小説の教科書かと思うほどだ。 作中で『そして誰もいなくなった』に言及する場面があったが、私はクリスティの別の名作パターンだと思って犯人を予想した。まぁ半分は当たってた(笑) 親しい人が死んでるのに誰も取り乱さず、チェスの駒のように非人間的な記述になっているのが不満ではあるが、ミステリが好きなら楽しめるはず!2022/07/24

セウテス

76
伝統的本格ミステリ、作者が2作品しか遺していないと知り、目の前が真っ暗になった。物語は、戦争で疎遠になっていたミステリ読書会のメンバーが、30年ぶりに会を開こうとすると一人又一人と殺されていく話。本作が秀逸なのは、第1の殺人の密室のオリジナリティーとトリックの意外さ。そして犯人の目星を立てると、その人物は殺害され、又そこから新たに犯人の目星を付けると、その人物も殺されてしまう。つまり構成や展開のタイミング、ミスリードや伏線の張り方が見事なのだ。残り3人となっても、犯人を特定させない匠さ、正にパズルの如し。2017/11/28

*maru*

42
年齢や職業もバラバラな面々の唯一の共通点はミステリー好きであること。「素人探偵会」の数十年ぶりの再会を計画していたその矢先、メンバーの1人が不審な死を遂げる。現場は密室。姿なき殺人鬼グリーンとは…。密室、消失、アリバイトリックに加え、暗号や色彩の謎まで至れり尽くせりのSF作家スラデックの本格フルコース。第2の殺人が起きるまではちょっと退屈に感じてしまったが、そこから謎解きまではまさに一気読みの面白さ。見事な伏線、斬新なトリック。特に第3の殺人のトリックが良かったな。鮎川、法月両氏の解説まで堪能した。2019/10/09

たち

37
本当に面白い『密室もの』を読みました。犯人のお手並みは鮮やかすぎて、そこまで旨くいくものなのか?と疑問も残りますが、矛盾したところはなく、動機も納得できるものでした。長いこと悩んだ末に、パズルを解いた後のような爽やかさを味わえる一冊です。2017/10/31

koma-inu

36
ミステリ好きの集まり「素人探偵会」が35年ぶりに開催。直前に、メンバーの1人がトイレの中の完全密室で死亡。3つの不可能犯罪を揃えた古典名作。密室トリックで有名な作品だそうで、当時は時代遅れと言われた○○トリックを改めて使い、非常に意外で独創的です。よくよく考えると、実現性は無い気がしますが^^; 第2の犯罪の被害者の隠蔽された設定は、お見事。ミスリードが効いてます。謎の解明が数ページであっさり示されてるのが残念です。2021/12/11

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