ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 苦い林檎酒

  • ポイントキャンペーン

ハヤカワ・ミステリ文庫
苦い林檎酒

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 298p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150747046
  • NDC分類 933

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

88
アリスは、20年前に殺人犯として処刑された父親の、無実を証明するためにイギリスにやって来る。そして犯人特定に繋がる証言をしたセオを訪ねという、過去の事件を再考する物語。特徴的なのは、当時では解明出来なかった事象が存在するとか、改めてトリックを解明するという設定ではない事。大人と子供や男と女など、私情の違いにより証言の意味合いが変化するという事だ。あるページから、今までの見えていた情景が、がらりと変わる驚きがある。ただ私的には、アリスの当たり前の様な態度や、セオの鼻持ちならない性格が、大いに邪魔になった。2022/12/08

ネコベス

29
アメリカから来訪したアリスの目的は二十年前英国で死刑に処された亡き父デュークの無実を証明する事だった。少年の頃デュークに不利な証言をした大学講師のセオから詳細な話を聞きだして半ば強引にセオと共に当時の関係者を訪ね歩くと、セオの知らない意外な真相が浮かび上がる。主観によって歪められた遠い記憶が新たな視点が加えられる事により思いもよらない真実が浮き彫りにされる部分の描き方が巧み。猪突猛進型のアリスに引きずられ否応なく事件に巻き込まれるセオとの関係がコミカルでラヴゼイらしい楽しいサスペンス小説だった。2018/07/31

藤月はな(灯れ松明の火)

22
幼き主人公の証言によって一人の米兵が死刑となった。その男の娘らしき人物は主人公を探し出し、事件の真相を探るが・・・・。クリスティの「スリーピング・マーダー」を思い出させる回想の殺人。主人公が自らの考えに拘泥しすぎる自己弁護の肥大した偽善者にしか見えなかったのですが、犯人はもっと最悪でした。対してアリスやハリーなど一癖ある人々の方が魅力的なのは、関係者でもあった事件を私情を極力、突き放して疑いの可能性を潰しながら考えていたからだと思います。訳に盛り込まれた洒落も良かったので原文も気になります。2013/01/17

Ribes triste

15
どうにも頼りない感じのシンクレアと、猪突猛進のアメリカ娘アリスのコンビが面白い。過去の殺人事件事件を再調査するうちに明らかになる事実。はたして真犯人はだれなのか。きっちりと作り込まれた物語はラウゼイらしい。シンクレア君に幸あれ。2020/03/01

J・P・フリーマン

13
過去に起きた殺人事件を探る系のミステリかと思いきや、読んだ感じは主人公が子供時代の思い出を振り払い、新しい生活に進んでいくというものでした。腹の中でいろいろ考える主人公と、物事を直球に話すアクティブなアメリカ人女性の対比がおもしろく感じました。2020/08/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/428511
  • ご注意事項