感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
23
1930年代、英国。当時の有力作家たちによる、長編リレー・ミステリという前代未聞の試みが完成した。クリスティー、チェスタートン、セイヤーズ、クロフツなど13名の作家が、時には純粋論理で、時にはユーモラスに語り継ぐ……という作品である。俺は大学と社会人にそれぞれ1回ずつ読んでいて、今回で3回目だ。しかし2回目は12章のバークリーの答えが分かったけれど、今回は全く分からなかったよ、うん。というか他の作家たちも含めて、やっぱり超すごい、という話だったねえ。またいつか読もうと思う。2020/03/19
ごへいもち
22
著者はクリスティとあるが実際はセイヤーズ、クロフツ、チェスタートンなども参加のリレーミステリ。主著者としては私はこの混乱を大きな破綻も無く解決?したアントニイ・バークリイとしたい2013/07/01
歩月るな
16
32年作品、リレー小説と言う名の、ノーガードの殴り合いとでも言うべき傑作。ミルワードの華麗なバトンタッチに絶望したセイヤーズ、かと思えば当人はかなり綿密な予想を立てていたり、底が見えない。一番最後にチェスタトンが付け加えたプロローグが正に神話の時代の様な幻想美に満ち満ちていていつも通りの色彩感覚に幻惑されてしまうのだが、なんとも素晴らしいサービスではある。「牧師を誘惑するなんて、もう時代おくれになってしまった古い英国のスポーツなのだ。(ノックス)」のような作家個々人の節(言い回し)を探してみても面白いし。2018/05/05
タリホー
10
英国探偵クラブの作家13人によるリレー長編推理小説。潮の流れにより川を逆流してきたボートから提督の刺殺死体が発見される第一章から事件が始まり、各作家が解決予想を立てた上でストーリーを展開させていく。文体は統一されているが、クリスティはお喋り夫人を登場させ、ノックスは39の疑問点を提示させるなど各作家の個性もちゃんと出ている。最終章担当のバークリイは色々錯綜した内容なのによくまとめられたものだと思う。各作家の予想解決篇も圧巻。特にセイヤーズの微細な予想が凄かった。2016/06/18
まゆみ
8
1930年代初頭。当時の作家たちが結成した「探偵クラブ」での長編リレー作品。13人の中では、やはり、私にとってアガサクリスティは、抜群の読ませる作家。邦訳の作品が多く、読みなれているからそう感じるのかしら。でも、登場人物の特徴を浮き立たせ印象に残ったのは、アガサクリスティで描かれた人たち。他の方々では、ラッジ警部が緻密なのかおおざっぱなのか、頭がよいのか悪いのか。読んでいて混乱しました。真犯人を追求するまで分けがわからない。それでも最後の伏線回収編は、楽しめたかな。2023/06/25