内容説明
男の名は、ニック・ヴェルヴェット。職業、盗賊。二万ドルの報酬で仕事を引き受ける盗みのプロフェッショナルだ。ただし、現金はもちろん、宝石、名画といった値の張るものはお断わり。価値のないものだけが対象となる。動物園の虎、看板の文字、大リーグのチーム、恐竜の尾骨など、次々と現われる難問に、暴力嫌いで、自らの頭脳と熟練の腕が切り札のニックが挑む!現代本格短篇の最高の紡ぎ手による奇想天外な十二篇。
著者等紹介
ホック,エドワード・D.[ホック,エドワードD.][Hoch,Edward D.]
1930年、ニューヨーク州生まれ。ロチェスター大学卒業後、短篇を執筆しはじめる。怪盗ニック・ヴェルヴェット、オカルト探偵サイモン・ホーク、早撃ちガンマンのベン・スノウ、元殺人課刑事のレオポルド、暗号解読スパイのジェフリー・ランド、田舎の開業医サム・ホーソーンなど、多くの個性的なキャラクターを創造。レオポルドものの「長方形の部屋」(67年)でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀短篇賞を受賞した。また、2001年にはMWA賞巨匠賞の栄冠に輝いた
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
87
【怪盗ニック】シリーズ第1弾。〔再読〕価値の無い物を盗む怪盗ニック、依頼も価値の無さそうな盗みの依頼ばかりだが、何故そんな依頼なのか。盗みのスリルと依頼主との腹の探り合い、アッと驚く真相というショートショートな12作の短編集。毎回の依頼の品に隠された謎は何か、依頼主の本当の目的は何か、自分の推理を試すには最適だ。「真鍮の文字」、ある会社のビルの入り口にある会社名の文字の内、SEXの3文字だけを盗んで欲しいという依頼。真相を本当に上手く隠しており推理が大外れになったばかりか、警察との洒落た駆引きにも大満足。2020/09/07
ほりん
34
【エドワード・D・ホック誕生日読書会】ニックはプロの盗賊。しかし,お金や宝石など価値のある物を盗む依頼はお断り。盗むのは「価値のないもの」だけ。動物園の虎,看板の文字,大リーグのチーム(?!)・・・奇想天外な依頼こそニックの望むところ。血を流さずに手堅く盗む手口と,その前後のいきさつが面白い。イベントのおかげで楽しいシリーズと出会えて,感謝。2015/02/22
たかなし
25
怪盗読みたいなぁってことで。価値のないものを二万ドルで盗んでやろうじゃねぇか‼ってやつです。ニックさんがまたいいキャラしてます。好きなのは虎。2018/07/20
ごへいもち
21
のんびり2016/05/21
だまし売りNo
20
怪盗ニックは価値のないもの限定で盗む泥棒である。そのような泥棒が成り立つのかと思ってしまう。しかし、現実には埼玉県警深谷警察署長(警視、60歳)は埼玉県鴻巣市本町のJR鴻巣駅隣のショッピングモールのトイレで備え付けのトイレットペーパー5個を盗んだ。事実は小説よりも奇なりである。 2021/07/25